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第184号 9月27日の宇宙的大イベント/パソコン大騒動!/続・鹿/きっこ農園の秘密

きっこのメルマガ
  • 2022/09/28
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「9月27日の宇宙的大イベント」 9月27日(火)と言えば、世の中的には、岸田文雄首相が国民の6割を超える「反対」の声を完全に無視して、安倍晋三元首相の「なんちゃって国葬」を強行した日でした。しかし、常に宇宙的視点から「地球の平和」を考えているあたしにとっては、そんなどうでもいい「自民党の内部事情」などより百万倍も重要な実験が行なわれた日でした。それは、NASA(米航空宇宙局)による「プラネタリー・ディフェンス(惑星防衛)」の一環である「ダート・ミッション」でした。 2016年に公開されて大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』では、飛騨地方の糸守町がティアマト彗星の破片に直撃されて消滅し、ヒロインの三葉(みつは)や家族、友人を含めた住民500人以上が死亡してしまいます。しかし、これはアニメの中だけの話ではなく、現実にも起こりえることなのです。事実、2013年にはロシア中部のチェリャビンスク州に、推定直径約17メートルの小惑星が落下し、その衝撃波で約1500人が負傷しました。 もしも、この小惑星の落下地点が東京などの大都市の人口密集地だったら、大変な数の犠牲者が出ていたはずです。それに、約6500万年前に恐竜が絶滅したのだって、巨大隕石がメキシコのユカタン半島に衝突したことが原因と見られているのです。今後、当時と同サイズの巨大隕石が地球に衝突したら、それこそ映画『ディープインパクト』や『アルマゲドン』のように、次は人類が滅亡することになってしまうのです。 ま、人類滅亡は大ゲサだとしても、もしも地球に衝突した場合に、1つの都市や小国を消滅させるサイズ、直径140メートルを超える小惑星は、宇宙に数えきれないほど存在します。そして、その中でも、実際に地球に近づいて来ていて、将来的に衝突の可能性がある「PHA(潜在的に危険な小惑星)」は、NASAが把握しているだけでも約2200個もあるのです。 そこで今回、NASAは、将来的に地球に小惑星衝突の危機が訪れた時のために、小惑星に無人宇宙船を衝突させて小惑星の軌道を変え、地球に衝突しないようにする実験を行なったのです。それが、今回の「ダート・ミッション」でした。 競馬やモータースポーツのダートコースの「ダート」は「dirt」、土や土ぼこりの意味で「dirty(汚い)」の語源でもあります。しかし、NASAの「ダート・ミッション」の「ダート」は「dart」、ダーツに用いる小形の投げ矢のことです。つまり、ダーツのように無人宇宙船を小惑星に命中させるミッションと言うわけです。 今回のターゲットは、地球から約1100万キロメートル離れた場所にある小惑星で、ちょっと名前がややこしいのですが、ディディモスという小惑星の周りを12時間周期で回っている直径約160メートルの小惑星ディモルフォスです。そして、このディモルフォスという的を狙うダーツの矢が、このミッションのために昨年2021年11月24日、米カリフォルニア州からファルコン9ロケットで打ち上げられた無人探査機、その名も「ダート(DART)」なのです。これは「Double Asteroid Redirection Test」の頭文字を取ったものですが、当然のことながら、先に「DART」ありきのネーミングです。 無人探査機ダートは、全長が約1.9メートル、重さが約550キロで、両側に長さ約8.5メートルの長方形の太陽光パネルを2枚、翼のように備えています。このダートを、秒速6.6キロメートルで、計算し尽くした角度で小惑星ディモルフォスに命中させ、ディモルフォスの周回軌道をこれまでより少しだけ内側に変えるというのが今回のミッションです。もちろん世界初の試みなので、いくら理論上は可能でも、やってみなくちゃ分かりません。 で、このミッションが行なわれたのが、NASAの現地時間で9月26日の19時14分、日本時間にすると9月27日の8時14分だったのです。あたしは、約1時間前の朝7時過ぎにNASAの生中継にアクセスして、チームスタッフによる詳しい解説などを聴きつつ、ドキドキワクワクしながら「その時」を待ちました。そして、日本時間の8時を過ぎると、チームスタッフが詰める管制室の緊張感も高まって来ました。あたしは母さんを呼びました。 ついに「その時」が来ました。無人探査機ダートは、的であるディモルフォスにどんどん近づいて行きます。画面にはダートに搭載された「DRACOカメラ」からの鮮明な映像が映し出されています。「DRACO」は「Didymos Reconnaissance and Asteroid Camera for OpNav」、現在、冥王星より遠い宇宙を探査中の無人探査機ニューホライズンズに搭載されているカメラ「LORRI」の後継機種で、解像度がアップしています。

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