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「怒涛の一時帰国ラプソディ」

BHのココロ
  • 2022/10/02
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今回のメルマガは、2年半ぶりとなる一時帰国の模様について報告したいと思います。 「怒涛の一時帰国ラプソディ」  世界を悩ませているコロナ禍の以前には、基本的に夏と冬の年2回、だいたい3週間くらいずつ日本に帰るようにしていました。3週間あると、ひと通りの知りあいに会うことができ、いろいろな出版社との会合や約束事をこなしつつ、ペンキ塗りや庭の手入れなど普段できない実家の手伝いもできます。  思えば、前回に日本を出発してアメリカに向かったのは、2020年3月10日でした。このときは、武漢を発生源とするという「謎の伝染病」の襲来に、日本やヨーロッパでもパニックが起きていました。不思議なことに、経由地のロスアンゼルス空港に着くと、まるで平穏な日常がつづいているようでした。しかしその翌日には全米でも緊急事態宣言が発せられ、皆さんもご存じのコロナ禍による隠遁生活がはじまるわけです。  このあいだ近所のスーパーでの買い物や森を散歩する以外では、ほとんど家から出ることもなかったわけです。しかし今年3月に友人の結婚式がマイアミで行われ、それに出席するために恐る恐る飛行機に乗り、野外でおこなわれた結婚式に参加したことが、文字どおりの「アナグマ」状態から外に出る最初の一歩となりました。  この3年間すべての遠征はキャンセルとなり、国際会議はZoomを使うオンラインのものばかり。大陸間を移動することは、考えもできなかったわけです。  しかし今年4月から科研費研究計画「中世・近世のイスラム圏とヨーロッパにおける魔術的知の交流史」(通称・魔術研)が開始され、最初の年にあたる今年の主要イヴェントとして、新進気鋭のイスラム学者であるアムステルダム大学のライアナ・セイフ博士を9月に3週間ほど招聘することになりました。  セイフ博士招聘中の学術イヴェントとして、東京での講演会と京都でのミニ・ワークショップを計画し、それにあわせて僕の一時帰国も決まりました。3週間あると落ちついて余裕をもった行動ができるのですが、今回は大陸間を移動することが実際に可能なのか手探りの状態で、しかも愛猫のアロー君と初めて長い期間に離れることも気になり、なぜか2週間という短い滞在期間を選んでしまいました。  2週間しかないとなると、到着してから最初の1週間は時差ボケを抱えたまま行動することになり、気がついたときには滞在期間も半ばを過ぎ、すぐに帰り支度を開始しないといけないという、かなり厳しいスケジュールになります。それでは、毎日がどんな具合だったのかを日別にみていきましょう。 9月7日(水)  朝4時に自宅まで迎えに来る空港タクシーを予約していましたが、朝3時には目を覚まし、余裕をもって行動できました。高速道路も渋滞なく、4時半過ぎには空港に到着しました。今日から日本への入国はコロナの陰性証明を提示しなくてよくなるようですが、念のために昨日に検査を受け、無事に陰性証明をもらっていました。案の上、空港では陰性証明と3回のワクチンを接種している証拠を見せるようにいわれました。  空港で荷物を預けてチェックインを済ませたときには、5時になっていたでしょうか。1時間ほどデルタ航空のラウンジで簡単な食事と飲料を取りつつ過ごしました。6時半の少し前に搭乗ゲートに向かうと、かなり人がいます。仕方ないですね、もう逃げることはできません。  経由地のアトランタまでのフライトは、ファーストクラスにランクアップされたこともあり、快適でした。できることなら、すべてのフライトでランクアップして欲しいものです。アトランタでは到着したターミナルから次便のターミナルまで、空港内モノレールで移動します。 余裕をもって2時間半の乗り継ぎ時間を取っていたので、デルタのラウンジに向かいました。なるほどアトランタという感じでスタッフもずいぶんと違いますが、つぎは羽田まで寝ていれば良いので、11時半の出発時刻までカクテルを飲みつつ過ごすことにしました。機内食を避けるために、もちろんラウンジでの食事は大事なものとなります。

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