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『 田中優の未来レポート 』
第268号/2022.9.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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どうしたら木材から水分を抜けるのか(下)
この「МDF(中密度繊維板)」は、大変人気のある素材だ。しかも表面にはプラスチックやフィルムを貼ってあるので美しく見え、素材は端材や間伐材、廃材といったリサイクル資源を使うことが多く、しかも「シックハウス対策」の「エフフォースターF☆☆☆☆(使われている量が少ないほどスターの数が多い)」としているものも多い。
MDF
「天然住宅」をしている側から見るとスターがつくのは「ホルムアルデヒドなど、シックハウス症候群の原因となる化学物質を使っている」証明なのだが。「合板に含まれる接着剤が主な発生源」で、使われている量は少ないが害がないことにはならない。
この表面に使われるプラスチックやフィルムのおかげで気密性が高くなる。だから今人気の高気密・高断熱の住宅には喜んで使われる。しかしそれが水没した時には通気性のないことが乾かなくてカビて腐る原因になっているのだ。
そもそも家は「高気密」にすべきものだろうか。
「高断熱」は必要だと思うが、「高気密」を求めるために断熱材やマットレスまでビニールで覆うのは間違いではないだろうか。
同様に「コロナ対策」では、マスクをしながら寒い教室の窓を全開にしている。それ以前に家屋自体が「高気密」にしているのに「24時間換気」で空気を入れ替えている。基準は住宅の場合「1時間あたり0.5回以上」が必要条件となっていて、一日24時間では12回空気を入れ替えることが義務付けられている。
しかし奇妙なのは、24時間換気が義務化された背景には住宅の「高気密化」が関連し、建材に使われる化学物質やダニ・ホコリなどの影響を受けやすくなった。それに伴い、頭痛・めまい・喉の痛み・湿疹など引き起こす「シックハウス症候群」という体調不良が懸念され、その予防対策として24時間換気が導入されたという。
しかし天然素材を使う「天然住宅」の場合、有害化学物質は可能な限り使わす、ダニは木材の成分のおかげで生きていられず、ホコリに関しても木材は最も静電気を発生させないので心配ない。
にも関わらず、通常の家屋と同じに24時間換気が義務づけられるのだ。
空気を入れ替えるのなら「高気密」に意味はない。適度な換気がされるように木材や珪藻土の壁などで建てられた家なら、わざわざエネルギーを消費してまで換気する必要はない。実際スギで建てた家の場合、細かな隙を空気が抜けていく時に殺菌や殺ウイルスの効果がある(図1)。
図1 殺菌ダニ・ウイルス
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