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抗原検査、PCR検査はすべて単一か

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室160.2022.10.2. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** 抗原検査、PCR検査はすべて単一か 新型コロナウイルスのパンデミックも世界各地では収束しておりますが、日本ではまだまだといったところでしょうか。今回は、PCR検査、抗原検査について考えたいと思います。 一口に抗原検査と言いましても、色々な精度の抗原検査があります。抗原検査の種類によっては、ほぼ詳細なPCR 検査に匹敵するような精度の抗原検査から、検査をしても検出感度が非情に低い抗原検査まで様々です。そんな中、各地でコロナウイルスの陽性者が発表されていますが、その地域地域によってどのような検査を行っているのかまちまちです。 コロナウイルスの陽性割合は地域によってまちまちです。もちろん、地域によって罹患者の割合がかなり変動していることも事実です。しかしながら、それだけではないような気がするわけです。 先ほども述べました様に、どのような検査を行って陽性と判定するか、そこがキーポイントとなっています。多くの場合、抗原検査を行い陽性か否か判定していることが多いと思います。抗原検査の精度によってはかなり厳密なものもあり、そのような場合、ウイルス感染に罹患してかなり時間経っても陽性になります。その反面、制度が低い検査ではウイルス検査を行ってもなかなか陽性にならないというジレンマがあります。 PCR検査も一律ではありません。抗原検査ほどではありませんが、どのような試薬を使ってPCR 検査を行うかにより、検出率がかなり違ってきます。精度が高い試薬を使えば陽性にでる頻度が増えますし、精度が低い試薬をつかえば陽性にでる頻度は低くなります。どの時期から陽性になるのか、また、感染終了後どの時期まで陽性とでるのかはその精度によってまちまちと思います。 デルタ株のパンデミックの際には、重症化しますし、現在のオミクロン株ほど、罹患率は高くありませんでした。怖いウイルスの際には精度にこだわった検査を積極的に行っていくべきだと思いますが、比較的重症化率が低く、罹患割合が高い現在のオミクロン株のような場合には、精度にこだわって検査を行うと社会の停滞に繋がるというジレンマがあります。 また、地域による陽性率の違いについては、先ほども述べました様にどの地域でどのような検査が行われているかによっても違ってくることは事実です。 上記のようなことを踏まえると、日本国内で正確に地域の感染状況を反映するには、検査の精度を統一する必要があると考えます。 また現在は第2類感染症であり、罹患すると在宅待機を余儀なくされます。そのようなことを考えると、余りにも制度が高く、無症状でしかも感染能力がないような罹患者までひらってしまうような検査の方法ですと、社会活動が停滞してしまいます。検査の精度は、もちろん正確なことにこしたことはありませんが、余りにも正確過ぎても不都合なことが起こってしまいます。その時その時に応じた検査方法(精度の点)を考えていかなければいけないような気がしている今日この頃です。 ***************************** ドクター畑地の診察室160.2022.10.2号 毎週日曜日お昼に配信します。 次号は2022.10.9.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 ***************************** ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください! ◆2022年09月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2022/09 ◆2022年08月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2022/08 2022/08/28 オミクロン株のPandemic

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