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『えんとつ町のプペルVR最新作』と『戦略的不便』

西野亮廣エンタメ研究所
おはようございます。 昔、超絶お世話になっている先輩から「面白いことをしなかったら殺すぞ!」というパワハラ発言の向こう側を見せてもらったことがあるキングコング西野です。 頑張って、面白いことをします。 さて。 今日は『えんとつ町のプペルVR最新作』の話をしたいのですが、「なぜ、そのような設計にしたのか?」まで共有したいので、VRの話に辿りつくまでにメチャクチャ遠回りします。 さてさて。 「この情報は自分の役に立つか否か」で、情報の取捨選択をしてしまう人は、まもなくジリ貧になるだろうなぁと思っています。 自分と同じように、他の皆も「役に立つ情報だけ」を取り込んでいるので、どう編集しようが、そもそも素材が同じなので生まれてくるアイデア・発信は当然かぶってきます。 「大根が安く手に入るからといって、全員が大根料理専門店をしたら、そりゃ、上手くいかねーよ。人口が増えたわけじゃねーんだから」という話です。 #大根料理専門店ってナニ 僕は、「役に立つか否か」なんて、もちろん周囲の評判もどうでも良くて、自分の直感に従って情報を仕入れて、その後に「ボクは、どうして、この素材に反応してしまったのだろう?」ということを考えます。 たとえば、「屋根の上に上がる」って楽しいじゃないですか? 「屋上に上がる」よりも、なんか楽しいですよね? 『高さ』は変わらないわけです。 となると、僕を興奮させている理由は他にある。 「不安定さ」なのか、「いけないコト」なのか。 僕を興奮させた理由の仮説を立て、検証し、因数分解をして、言語化して、「ネタ」として保管しておく。 先々で、その「ネタ」が転用できる場面が巡ってきたら、ズドーンと出しちゃう。 昨日、お話しした「沖縄のラーメン屋→ブロードウェイの攻略法」なんて、まさに。 (※昨日の記事をまだ読まれていない方は、先に、そっちを読んでね) 沖縄のラーメン屋の行列を見て、「ラーメン屋のノウハウは自分の役には立たないな」と蓋をしていたら、ブロードウェイの戦略には繋がらなかったんですね。 というわけで、ここからが本題です。 「不便」が生みだすコミュニケーション 僕は今、『たけしの挑戦状 ビヨンド』という舞台の稽古の日々です。 (※地方公演は、名古屋、高知、広島、大阪があります) https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1949941 ここ最近は、予算も内容も自分の好き勝手にやらせてもらっていたので、「この範囲で頑張って、結果を出してください」という仕事は久しぶりで、新鮮で、楽しくやらさせてもろてます。 この舞台は、伝説のクソゲーと言われた『たけしの挑戦状』というファミコンソフトが軸となり進んでいく物語なので、稽古場にはファミコンが常にスタンバイされていて、休憩時間に、演者全員で『たけしの挑戦状』をプレイするんです。 僕も今回はじめてプレイしたのですが、「伝説のクソゲー」に偽り無しで、本当にクソゲーなんです(笑) 基本、「謎解きゲーム」なのですが、ヒントもヘッタクレもないんです。 たとえば、観葉植物の前でしゃがめば『ヘソクリ』がゲットできるんですが、「観葉植物の前でしゃがめば、何かあるかも」というヒントが、どこかに隠されているわけじゃないんです。 『ヘソクリ』をゲットする方法は以下の二つ。 ・偶然見つける  ・偶然見つけた友達から聞く なんと、乱暴なゲームなのでしょう。 『たけしの挑戦状』は、この調子で不親切に進んでいくので、稽古場の皆は、それぞれ骨を折りながら、それぞれに、あらゆるパターンを試して、「あそこでジャンプしたら○○が出たよ」「あそこで△△をしたら、次のステージに進んだよ」と情報交換を繰り返します。 結果、気がついたら、皆、メチャクチャ仲良くなっているんです。 「コミュニケーションをとらないと絶対に解けないゲーム」なので。 「役に立つか否か」は分かりませんが、「面白い」と思いました。 僕が「面白い」と思った理由(計算式)は以下のとおり。

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