第162回 小学校受験の落とし穴(1984年~)
横浜で教室を始めた頃,生徒の大半は私立小,国立小の子たちでした。
当時は「知る人ぞ知る教室」で,小学受験塾の口コミ以外で宮本算数教室を知る方法はありませんでした。
教室の近くにある精華小学校の生徒がたくさん来てくれました。
2007年の卒業生18人のうち14人は精華小の子でした。
できる子が何人もいて,14人中11人は筑駒,開成,麻布,栄光のいずれかに進学しました。
(この学年には精華の女子はひとりもいませんでした。)
今,思い返せばこの子たちはみんな「野人」でした。
八丁堀,三鷹,横浜,日本橋,マンハッタン,中野,九段で40年近く授業をやり続け,いろいろな私立,国立,公立小学校の子たちを見てきましたが,私立小学校で「野人」のまま成長できるのは首都圏では精華,聖徳学園,国立学園の3校だけです。
2006年に出してもらった「超強育論」(ディスカヴァー)は名前を「超強育論」→「宮本算数教室の授業」→「伝説の算数教室の授業」と変えられ,読み物の部分がほとんど削除されました。
一部を引用します。
2005年に書いた文章なので,現状と異なる部分があります。
(「強育論」よりうんと過激です!)
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小学受験の落とし穴
私は子育てをしたことがありませんが,生まれたばかりのわが子はいくら眺めていても飽きないくらい可愛くてしょうがないのでしょう。
笑うようになるときっとその笑顔見たさにあの手この手で笑わせようようとするのでしょうね。
でも,立って歩くようになると笑っているだけでは飽き足りず,
「そろそろ勉強をさせなければ。」
と思い始めるのでしょう。
親子で楽しく学習している間は幸せでしょう。
でも,幼児教室に入れてしまうといろいろ大変なことが起こると思います。
「とても優秀です!」
と言われればきっと両親ともに大喜びでしょう。
「公立小学校に入れるのはもったいないです。」
と言われれば小学校受験を意識するするようになるかも知れません。
逆に
「他のお子さんより遅れています。もっと頑張らせないといけません。」
と言われれば焦るでしょう。
どちらにしても楽しい子育ては終わり,あちらの教室,こちらの教室と駆け回り,ノルマをこなす日々が訪れます。
小学校受験をさせる場合,
「どうせなら少しでもレベルの高い小学校に入れよう。」
と考えるのは親として当然のことです。
私の教室を卒業する子どもたちの大半は中高六年間一貫校に進学します。
つまり附属小学校がない中学校に進みます。
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