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佐々木俊尚の未来地図レポート 2022.10.3 Vol.724
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【今週のコンテンツ】
特集
さまざまな情報の断片から、未来予測まで進めていく私だけの方法
〜〜〜世界観を「四次元化」していくという考え方(9)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
さまざまな情報の断片から、未来予測まで進めていく私だけの方法
〜〜〜世界観を「四次元化」していくという考え方(9)
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今年出したわたしの新著『読む力 最新スキル大全』を補足し、どのようにして世界観を構築していくのかを深掘りしていくシリーズのいよいよ最終回です。9回にわたってお届けしてきました。
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あるテーマについて単一の視点だけでなく、さまざまな視点で見ることによって立体的なイメージが描けるようになる「三次元化」。さらに加えて過去の経緯などを学ぶことで、さらに立体はふくらみをもった「四次元」になります。この「四次元化」を未来予測につかう、というアプローチをこれまで解説してきました。
これまでに出したお題は、「電子書籍が普及することは、人間社会に何をもたらすのだろうか?」「情報通信のテクノロジーが進化していく時代に、共同体はどう変化していくのだろうか?」の二つ。そして最終回の今回は、三つのお題を考えてみます。
まず第一に、「地方の過疎化の問題をどうすればいいのか?」
「地方創生」「地方活性化」「過疎化対策」などのキーワードでグーグル検索すると、大量の記事がヒットします。大半は、地方移住をどう促進し、就農などで地方に住んでくれる若者をどう増やすのかという視点で書かれているようです。
しかし現実には、少子高齢化と人口減で若者の数は減り続けており、すべての地方に若者が移住することは現実的に不可能でしょう。
加えて、移住生活の苦労という問題があります。農村などの生活を知らない都会の若者が就農して移住すると、閉鎖的なムラの共同体にからめとられ、息苦しさや同調圧力につらくなってしまうことが多いというのは、わたしもあちこちで見聞きしました。
また中山間地域の限界集落などでは、すでに住民が80歳から90歳ぐらいの高齢者中心で、集落を維持することはほとんどできなくなっています。消滅寸前になっているところも多いようです。ひとりやふたりの若者が移住したとしても、消滅を阻止するのは難しい。
このように地方の過疎化問題には、さまざまな視点があります。これらの視点にもとづいた記事を横断的に読んでいけば、地方過疎化というテーj間を三次元化した立体イメージで捉えることができるでしょう。
これを四次元化したらどうなるでしょうか。まず過去を見てみましょう。
歴史を振り返ると、戦前は働いている日本人の半数が農業に従事していて、地方に住んでいました。しかし戦後に高度経済成長が始まると、集団就職や大学進学などで人びとは都会に出ていきます。これによって人びとは農村という共同体から引き離されて、都会で孤独な生活を強いられるようになりました。
東京を「コンクリートジャングル」「東京砂漠」と流行歌で呼んだりしたのは、昭和30年代から40年代のこのころの都会の孤独が背景にあります。
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