■人の心を制するものが人生を制する
心の動きがわかれば、人間関係の対処法も明らかになる。人の心を
どう刺激すれば、どう反応するのかがわかれば、相手を自分の望む
方向へと相手を導くことができるからだ。
思い通りに、人を誘導していけることは大きなメリットだ。自分に
沢山のチャンスが訪れるように仕向けることができるからだ。自分
の思い描いた人生をもたらすことが可能になるわけだ。
人の心を「あやつる」とか「動かす」ということは、まさしくコミ
ュニケーションの方法にかかわってくる。成功者の多くがその要因
にコミュニケーション力をあげている。
そしてコミュニケーションが巧みな人とは、相手の心を読み、上手
に刺激して、思い通りの方向に操れる人だ。それを可能にするのが
心理学だ。
心理学は、人間の心を扱う。心の動きを、科学的に洞察し、仕組み
を解明する。心理学を知らずして、相手の心にフォーカスすること
は難しい。つまり、成功するには心理学が不可欠なのだ。
★
自分の話を熱心に聞いてくれる人がいれば誰でも気分がよくなる。
それは「認められたい」とか「ほめられたい」という承認欲求が満
たされるからだ。聞き上手な人は誰からも好かれるのだ。
「イヤだな」と思う相手も、苦手だと感じる人も同じ人間だ。そん
な相手の得意分野や、好きなこと、興味のあること、関心が高いこ
とをリサーチしておけば、様々な場面で役立つはずだ。
会話に詰まったら「ゴルフを始めようと思うんですが」とか「おす
すめの経済書を教えてください」というようなさりげないセリフで
いいから振ってみて、相手の心を開かせることだ。
ふだん、あまり馴染みの薄い人から評価されれば、誰でも親しい人
からの評価されることより嬉しくなるものだ。これは「アロンソン
の不貞の法則」という法則として裏付けられている。
★
「自分の意見のほうが絶対正しい」などと思っても、会社のような
場所では、うかつに真っ向から反対すれば敵を作ってしまう。その
結果、浮かばれなくなることもある。
人は誰でも、自分の意見や主張に反対されると気分を害するもの
だ。そして、相手を嫌うようにまでなる。だから、反対するとろく
なことにはならない。
上司から、部下としての意見や感想を求められた場合には「私はい
いと思いますね」などと、はじめは賛同を表明するべきだ。そうす
ることで相手は安心するからだ。
とにかく、上司の意見には、あからさまに反対と言わないことだ。
反論したいなら「賛成ですが、こういう場合はどうなるのでしょう
か」などと不審点や納得のいかない点だけ尋ねるようにすべきだ。
★
自分で決めた仕事のやり方にこだわる人は少なくない。それが合理
的で間違いも起こさないし、慣れていて安心できる方法だからと信
じて疑わないからだ。
だが、仕事はチームでこなしていくものだ。個人の仕事のやり方を
変えてもらわなくてはならない場面も出てくる。そんな時、頑固な
人ほど抵抗が激しくなる。
「こだわり」は自己防衛の一種だ。無理に捨てさせようとすれば、
鎧を剥ぎ取られる不安に駆られる。頑固な人には、頑固な人ならで
はの「こだわり」があるものだ。
それを十分理解した上で、それを高く評価してあげることだ。頑固
な人ほど「自分のこだわり」を評価してくれる人には、思いの他、
親切にしてくれる。数少ない自分の理解者なのだから当然だ。
そんな関係性を作り上げた上で、はじめて仕事の流れを変えるため
の相談をもちかける。そうすれば、新しい「こだわり」も構築して
くれることもあるはずだ。
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