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Q. SaaSの3つの主要KPIを全て満たすCINCを支える仕組みとは?

決算が読めるようになるノート
ヒント:CINCがSaaSの健全性を示す3つの指標において、優秀な結果を残せる理由の1つに「広告宣伝費をほとんど掛けずに顧客獲得できている」ことが挙げられます。 この記事はゆべしさんとの共同制作です。 本日は、先日公開した以下の記事において、2022年4-6月における国内SaaS企業の事業の健全性を示す3つの指標(40%ルール、CAC回収期間、LTV/CAC)を、唯一全て満たしていた株式会社CINCを分析します。 【SaaSの主要指標】Q. カオナビが効率的に顧客獲得ができている理由とは? 前四半期(2022年1-3月)においても、CINCは3つの指標を全て達成していたため、継続的に事業の健全性を維持して事業運営できていることが分かります。他の国内SaaS企業がなかなか3つの指標全てを達成できていないことを踏まえると、かなり驚異的と言えるでしょう。 それでは、なぜ、CINCは3つの指標全てを継続的に達成できるのでしょうか?本日は、事業の健全性を示す3つの指標を全て達成しているCINCを支える仕組みについて考察していきます。 SaaSの3つの主要KPIとは? CINCを支える仕組みを考察する前に、SaaSにおける事業の健全性を示す3つの指標がどのようなものか、簡単に整理しましょう。 ●SaaSにおける事業の健全性を占める3つの指標 (1) 40%ルール (2) CAC回収期間 (CAC:Customer Acquisition Cost/顧客獲得コスト) (3) LTV/CAC (LTV:Life Time Value/顧客生涯価値) 「40%ルール」とは、SaaS企業は高い売上成長率があれば営業利益率が多少低くても事業として健全だが、売上成長が停滞した場合は高い営業利益率を求められるという、トップラインの成長率と利益率の双方の視点から健全性を見る指標で、数式で表すと以下の通りです。 売上成長率 + 営業利益率 ≧ 40% 「CAC回収期間」とは、1顧客の獲得に要したコストを何ヶ月分の利益で回収できるのかを表す、顧客獲得の効率性を表す指標です。一般的に12ヶ月以内が望ましいとされています。 「LTV/CAC」とは、SaaSにおけるユニットエコノミクス(1顧客あたりの採算性)を表し、「少ないコストで顧客を獲得して、獲得した顧客が将来にわたってどれだけ多くの利益をもたらすか」という事業の収益性を示す指標で、一般的に3以上が望ましいとされています。 2022年4-6月の各社の数字を振り返り それでは、国内SaaS企業における3つの指標の達成状況を見てみましょう。 上図の通り、2022年4-6月決算では、SaaSの健全性を示す3つの指標を全て達成したのはCINCのみという結果でした。

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  • アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。
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