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<Vol.1272:正刊:英国債にデリバティブ危機が勃発(2)>
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【2022年10月05日号の、骨子】
1) 10%を超えるインフレを原因に、ドルに対する英国ポンドが急落。
2022年の年初は1ポンドが1.4ドル→22年9月は1.1ドル(21%のポンド
安)。(注)円も20%安なので、ドルに対するポンド安は、円からは
見えない。
以下の「ポンド/ドル」を、日足(ひあし)で見ていただきたい。10
月は、英国中央銀行の、緊急ポンド国債買いにより7%、一時的に戻
している。
https://fx.minkabu.jp/pair/GBPUSD
10%台と高い、英国インフレからの金利上昇(8月2.0%→10月4.0
%)によって、国債と金利スワップ(デリバティブ)に下落危機が勃
発している(22年9月末)。
2)金利スワップは、固定金利と変動金利を銀行間で貢献するデリバ
ティブ。金利が1年で大きく上がると、決済の危機が起こる。
3)英国デリバティブの危機は、英国債の下落危機から、不況を超え
た準恐慌につながって行く。まず起こるのはリーマン危機と類似した
「デリバティブ決済の危機」。英国年金基金(ファンド)で起こって
いる。
4)22年末から23年にも、米国と欧州の金利が上がっていくと、第二
のリーマン危機が予想より早く来る可能性が出てきた(推計:2023年
6月ころか)。
5)世界最大のヘッジファンドであるブリッジ・ウォーター(運用資
産22兆円)を率いるレイ・ダリオが指摘するように、株式市場と債券
市場は、2022年、23年インフレと金利の上昇を十分に織り込んでいる
とは思えない。
金融市場の神経は、リーマン危機のあと13年間のディスインフレ・低
金利・量的緩和から、その反対のインフレ・高金利・マネー量の縮小
を、イメージできない「冷えカエル」になっている。
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