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韓国「半導体二流国」、欧州が注目の台湾へ焦り 収益力に格段の違い

勝又壽良の経済時評
  • 2022/10/06
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韓国半導体の実力を診断 半導体工場が台湾“占領” 欧州にない産業が台湾に 韓国経済の屋台骨は、半導体輸出である。韓国は、5月以降貿易赤字に落込んだ。半導体輸出の不振が影響している。最近のウォン相場急落の裏には、半導体輸出不振による貿易赤字という問題があるのだ。 韓国経済は、製造業における一種の「モノカルチャー」的な現象を呈している。モノカルチャーとは、一国の産業構造が1つまたは2~3品目の農産物や鉱物資源の生産 (輸出向け)に特化した経済のことだ。韓国は、工業製品で半導体が圧倒的なシェアを占めている。その意味では、半導体が転けたらコリア経済も転ける構造だ。 韓国は、底の浅い経済である。こういう脆弱な構造にあるという認識が、ゼロというのも珍しいことだ。それどころか、GDP10位となって先進国意識に燃えている。文前大統領のように、「日本に二度と負けない」と強烈発言もある。産業構造からみて、これは不可能というほかない。韓国には、バランスの取れた産業構造へ転換することが、最も必要になっている。 韓国半導体の実力を診断 韓国は、メモリー型半導体で世界一のシェアを誇るが、非メモリー型半導体(システム半導体)では台湾の後塵を拝している。一口で言えば半導体技術力の差である。メモリー型半導体は、パソコンやスマホ、ゲーム機などに大量に使われる汎用品である。非メモリー型半導体は、自動車など一段上の品質を要求される「オーダーメイド」になる。汎用品半導体の市況は大きく変動するが、オーダーメイド半導体はその性格上、価格は比較的に安定している。注文生産ゆえに、過剰生産にならないからだ。 一口に半導体と言っても、メモリー型と非メモリー型ではこういう大きな差がある。韓国は、メモリー型半導体に依存するゆえに、すでに輸出面で市況下落の影響を受けているのだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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