■自分は自分でしか変えられない
「どうにかしたい」「解決したい」という悩みや問題があるなら、
自分が自分の相談相手になればいい。人生において、一番長く自分
と一緒にいるのは「自分自身」なのだ。
もし自分が自分の「最高の相談相手」になれたら、いつでもどこで
も、どんな場面でも相談できる。その上、有効な答えや納得のいく
答えを得られる。
「セルフコーチング」は、まさに自分が自分自身の最高の相談相手
になるスキルだ。ただし「セルフコーチング」には、質のいい自問
自答を行なうことが求められる。
★
人は一日に何千回もの思考を行なっている。その思考の多くは「質
問と答えがセット」になっている。「いま何時だろう。6時か。そ
ろそろ起きなきゃ」という具合だ。
この手の自問自答なら、その「質」が自分の思考や行動の結果を大
きく左右することはない。だが、朝からネガティブでいると、心の
中でもネガティブな反応をしてしまう。
たとえば「今日のプレゼン、失敗したらどうしよう?たぶん失敗す
るだろう。イヤだな。行きたくないな」という具合だ。こんな自問
自答では前向きな行動はできない。相談相手にならない。
セルフコーチングでは「今日のプレゼンを成功させるにはどんな工
夫ができるかな?」となる。だから「よし、落ちついて話せるよう
に開始前に1分、瞑想呼吸をしてみよう」となる。
このように、自分に投げかける質問を少し変えるだけで、自分の気
持ちや答えが前向きに変わるのだ。自問自答の「質」とは、自分に
投げかける質問の「質」なのだ。
質のいい問いかけができれば、気持ちはすぐに前向きになる。そし
て、やる気も湧いてくる。その結果、大きな気づきや、答えを自分
の中から引き出せるようになるのだ。
★
セルフコーチングの「質」にもっとも大きな影響を及ぼすのは、
「どんな視点で考えるのか?」「どのような部分に光を当てて考え
るのか?」という点だ。
自問自答でイヤな気分になったり、やる気が出なかったりするの
は、正にこの点がよくないからだ。ここが「セルフコーチングのキ
モ」といって過言ではない。
コーチングでは基本的に「ネガティブ」な部分ではなく「ポジティ
ブ」な部分にフォーカスして物事を考える。なぜなら、人は「ポジ
ティブ」な気持ちになったときこそ力が発揮できるからだ。
たとえば「自分の不得意なこと、ダメな部分はどこですか?」より
「自分の得意なこと、今後成長する可能性のある部分はどこです
か?」のほうが前向きになれる。
過去でなく未来に、結果でなくプロセスに、短所でなく長所に、弱
みでなく強みに、苦手なことでなく得意なことにだ。「自問自答」
するときは、限りなく「ポジティブな面」に光を当てるべきだ。
★
セルフコーチングのメリットは、自分にとって本当に大切な答えを
発見できることだ。そして、モヤモヤ悩んでいる時間を無くし、行
動を起こせるようになることだ。
そして、アイデアが湧いてきたり、仕事を効率的に進めたりするこ
とができる。目標達成が早くなり「自分に本当に大切なものは何
か」を考える機会ができるのだ。
もちろん、選択した道が成功にはつながらないこともある。だが、
「自分に本当に大切なものを守った」という事実はゆるがない。そ
れは間違いなく充実感を与えてくれるはずだ。
本当に大切なものがわかっている人は、ブレない。誘惑や損得に惑
わされることがなくなる。行くべき道を見失うことなく、人生を歩
いていくことができるのだ。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)