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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第589号(2022/10/9) 特に材料もきっかけもなく、突然の世界株高/米CPIへの反応は全くわからない
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 現時点での、自主開催セミナーの予定は、下記の通りです(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
10/15(土)札幌(5/20)
10/22(土)横浜(6/20)
10/29(土)大阪(9/20)
新型コロナウイルス流行の影響で、通常より定員が少ない会場が多いです。
また、会場や会場のある地方自治体が、新型コロナウイルス感染予防策を、強化あるいは緩和することによって、定員が増減すること(増えることも減ることも)がありえます。
加えて、直前でもセミナーを中止することがありえます。
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
上記のリンク先には、自主開催以外のセミナーの予定も掲載しています。
次回の自主開催セミナーは、今年12月から来年2月半ばでの間に、設定する予定です。今月中には日時を決定しようと考えています。しばらくお待ちください。
☆過ぎし花~先週(10/3~10/7)の世界経済・市場を振り返って
<何の材料もきっかけもなく、突然の世界株高、ただし週末にかけては勢いを失った>
(まとめ)
先週は週初から、主要国の株価がいきなり上伸しました。その理由をいろいろに挙げる向きがありますが、週初のタイミングで株価上振れを生じさせるような材料もきっかけもありませんでした。先々週まで過度の売られ過ぎが進んでいたため、その反動がたまたま生じた、ということだと考えます。
週末にかけては、そうした株価上振れに対する警戒感が生じ、主要国の株価はある程度の反落を示しました。
(詳細)
先週は、週初月曜日(10/3)の東京市場の途中から、日本株の上昇が突然始まりました。その時は、日本株だけではなく、米国株価指数の先物価格や、時間外の米国長期国債価格も、ほぼ同時に上昇(債券利回りは低下)しました。
そうした内外の株価上昇や米長期金利の低下などは、その後も数日続きましたが、そうした市場の動きが生じた背景は、10/3(月)に発表された米国の9月のISM製造業指数や、10/4(火)の8月の同国の求人数が、想定より弱かったため、インフレ懸念や金利上昇懸念が後退したからだ、との報道もあります。しかし世界株価の上昇が始まったのは、前述のようにそれより前ですから、米国のマクロ経済統計は、世界株価上昇の材料でもきっかけでもまったくありません。
では、なぜ主要国の株価が先週週初から上昇したと言えば、その前の先々週(9月最終週)まで、投資家心理の悪化(インフレ懸念や金利上昇懸念を騒ぎすぎの地合い)が続き過ぎていたため、その反動がたまたま先週月曜日のタイミングで生じた、ということなのでしょう。それは「たまたま」であって、何かきっかけがあったわけではない、ということです。
そして、週末にかけて株価は勢いを失いましたが、これも株価にとって悪い材料が後から出てきた、ということではなく、週前半の株価上昇が急ピッチであったため、その反動安が生じた、ということだけでしょう。
今後も、内外の投資家心理が不安定であるため、何の材料もなく、市況が急に上振れしたり下振れしたりするでしょう。「これから市場が動意づくきっかけは何だろう」と考えても無駄なので、考えない方が良いと思います。
なお、そうした短期的な市況のブレは別として、大枠で投資環境(経済や企業収益など)の動向を捉え、大きな流れでの市況の先行きを展望するうえでは、経済統計などが何を示唆しているのかを、しっかりと抑えることが重要です。先週の米国の主要な経済統計が何を語っているのかは、後の「盛りの花」で詳述します。
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