今週のざっくばらん
SEC (Security and Exchange Comission)
米国では、徐々に暗号通貨関連の法律や規制の仕方が定まりつつあります。数多くある行政機関の中でも、重要な役割を果たすのがSEC(Security and Exchange Comission、証券取引委員会)です。
SECの役割は、株や債権などが市場で売買される際に、開示されるべき情報がちゃんと公開されているか、価格操作などが行われていないかを監視し、消費者を投資詐欺や価格操作から守ることにあります。
先週、モデル出身の芸能人、Kim Kardashianが、SECに対して $1.2 million の罰金を支払うことになったことが報道されました(SEC charges Kim Kardashian for unlawfully touting crypto on her Instagram account)。彼女は、Instagram のアカウントを通じて暗号通貨 EthereumMax のプロモーションを行いましたが、$250,000 の報酬をもらった上でのプロモーションであったにも関わらずそれを公開せず、消費者を騙した罪です。
EthereumMaxの価格は、彼女たちのプロモーションにより大きく値を上げ、運営元に大きな利益をもたらしましたが、その後価格は低迷し、大勢の消費者たちが被害を受けたのです(下の図はEthereumMaxの価格推移)。
この件に関して、彼女はすでに今年の1月に、他の芸能人と共にEthereumMaxの購入者から訴えられており(Kim Kardashian, Floyd Mayweather Jr. sued for alleged crypto pump and dump)、その裁判の結果にも大きな影響を与えることになると思います。
SECは、この事件に関しての公式な発表(SEC Charges Kim Kardashian for Unlawfully Touting Crypto Security)をした上で、インフルエンサーによりプロモーションに騙されないようにと警告を出しています。
ちなみに、彼女以上に悪質なことをしたのが芸能人のガクトです。ガクトは暗号通貨スピンドルのプロモーションに協力しただけでなく、ファンを集めた投資セミナーを開いて、スピンドルの魅力を訴え、彼らに莫大な被害を与えたのです。
とても残念なことに、日本のSECである証券取引等監視委員会は、スピンドルの事件に関して、ガクトの逮捕すらしておらず、被害者は泣き寝入りの状況です。
当時、証券取引等監視委員会を管轄している総務省の大臣は、野田聖子でしたが、野田聖子の夫、野田文信(元暴力団員)がスピンドルの胴元の一人でもあったことから、それが理由で証券取引等監視委員会の追及を逃れることが出来た、と指摘する人もいます。
この件に関しては、デイリー新潮と週刊文春が記事を書き、その中で野田文信を元暴力団と指摘しましたが、それを不服とした野田文信が両社を名誉毀損で訴えました。この訴訟は東京高裁・最高裁まで争われましたが、最終的には裁判所が「野田文信は元暴力団であるという指摘は事実である」と判断した結果、野田文信による上告を棄却して決着しています。
私は、今度デジタル庁でWeb3を担当されている方達と話す機会がありますが、この二つの事件を例に上げて、日本でも同様に、インフルエンサー・マーケティングに厳しい態度で望むべき、と指摘する予定です。
Googleのカルチャー
GoogleがStadiaプロジェクトを中断してしまったことに関して、ネットではさまざまな議論がされていますが、Googleがこんな風に、プロジェクトをスタートしては辞めてしまう事に関して、Google 内部から、カルチャーとインセンティブ設計の問題だという声が上がっています。
ひとことで言えば、Googleでは「新しいサービスをローンチすること」だけが昇進に繋がり、既存のサービスを改善したり、バグを修正しているだけでは昇進出来ないから、だそうです。
私が特に残念だと感じているのは、Google Drive です。せっかく素晴らしいものを作っておきながら、ユーザーインターフェイス面の改良を全く行わず、数年間放置されている状況です。それでも使う人がいるから十分、と考えているのかも知れませんが、Appleなどと比べると自社サービスに対する「愛」が感じられない会社です。
検索のユーザー体験も(広告のために)悪くなる一方だし、OpenAI あたりが本気で攻めたら、一人勝ちである検索ビジネスですら、どうなるか分かりません。
私の目に止まった記事
15K rainbow fentanyl pills found hidden in Legos in New York drug bust could kill half a million people, report says
米国ではオピオイド系の麻薬、fentanyl pill が大きな問題になっていますが、このたび、DEA(Drug Enforcement Adminstraction)がニューヨークで1千万錠のfentany pill(末端価格 $30万ドル)が、レゴの箱の中などに隠されているのを発見し、押収した、という報道です。
DEAによると、米国では2021年に7万2千人が Fentanyl の過剰摂取で死亡しており、今回押収された fentany pill は、100万人を死亡させるのに十分な量だそうです。
ちなみに、米国でオピオイド系の麻薬中毒者が増えてしまった原因は、オピオイド系の痛み止めを医者が必要以上に処方したことにありますが、その背後には医薬メーカーの巧みな販売戦略があり、それに絡んで、医者やコンサルタントが何人も逮捕され有罪判決を受けています。
その中でも注目を集めたのは、医薬会社に対してコンサルタントサービスを提供していたマッキンゼーのケースで、約600万ドルの罰金を払うことになりました(McKinsey Settles for Nearly $600 Million Over Role in Opioid Crisis)。
GPT-3 にこの件について書かせたところ、以下の文章が生成されました。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)