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週刊xoxo 証券会社の生きる道

元外資系レジェンズ Team xoxo あなたに寄り添う投資情報
  • 2022/10/16
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元外資系レジェンズ『Team xoxo』あなたに寄り添う投資情報 投資情報だけでなく皆様の興味や知的好奇心に寄り添う情報発信を目指すチーム 株って面白いですね。CPIショックで先物急落した後、ピークアウトだって急速に買い戻しされたりなんて全く予想していない展開でした。ドル円は147円台に突入し『介入』なんて期待があるのかもしれませんがSNS上ではポジショントークの大乱舞。それくらい株も為替も様々な投資家の思惑が交錯するレベルにあるのかもしれません。引き続き11月FOMCや始まった決算発表を睨みながらそれでは今週の週刊xoxoスタートです。 ============================================================ 今回のテーマ 1.証券会社の生きる道 2.はじめての株式投資 第4回:まずは木よりも森をみること 3.今週も米国株は引き続き荒っぽい値動き 個人投資家が見るべきポイントは? ============================================================ 1.証券会社の生きる道 そもそも僕は外資系証券会社出身なのでどちらかというと証券業界をサポートするような意見を述べる傾向がある。 例えば先週のクレディ・スイスの記事にしても一般的にアルケゴスやグリーンシル等問題がいくつか噴出した同社に経営不安説が流れた時に(今週もまだ流れている)、そのような風説の流布とまでは言わないが SNS経由での真偽不明な投稿の拡散による被害者がクレディ・スイスだったのでは? というまとめ方をしてしまう。 それはもちろん僕がクレディ・スイス出身だということもあるがそれ以上に証券会社が最近何となく悪役に回っているような風潮を敏感に感じておりそれが残念でならない。 何かのきっかけでターゲットにされやすいのでは?ということを危惧しているというのが本筋だ。 それこそリーマンショック辺りまではいわゆる世界に名だたる投資銀行は成果報酬によるほぼ青天井な給与体系をはじめ、憧れに近い職種だったのにもかかわらずここ最近は何となく悪役、つまり相場を動かす、投資家本位ではなく会社本位のビジネスで高給(これは以前ほど高給ではない)を得ているような世の中の雰囲気すらある。 実際のところは高給をもらっているのは一部の上席社員のみで所謂中堅や若手は彼らが入社前に思い描いていた夢のような高給には遠く及ばないのが現実だ(それでも他業種よりは圧倒的に高いが) それにいち早く気が付いた若手社員は早々に転職をし今流行りの外資系コンサルやIT企業、さらにチャレンジしたい若者はそこからさらにスタートアップ企業を立ち上げてできるだけ早いイグジットを狙いキャッシュアウトすることこそ効率が良いと考える。 若手社員の歩留まりが悪くなると企業として新陳代謝が進まなくなり旧態依然のマネジメントによる経営が続き進化が止まる。 株主から批判が高まれば他社や他業種から上席経営者をヘッドハントし新たな体制で経営を刷新しようとする。 しかし旧体制側からの突き上げもあり、いくつかの企業カルチャーが玉石混合する謎めいた会社に変貌しさらに会社が魅力を失っていく。 こんな会社をいくつも見てきた。 それくらい証券会社をはじめとする金融機関の経営は厳しさを増していると思う。 僕が証券会社をサポートしたいと思うのは何とかこの難局を乗り切って引き続き直接金融の重要な役割だけでなく個人の貯蓄から投資へのサポートに大きな役割を果たしてほしいというエールである。 ■縮小するパイを奪い合う陣取り合戦 なぜこのような儲からない体質になってしまったのだろうか? 金融機関の収益は拡大するパイというより縮小するパイを奪い合う戦いだ。 債券の世界は各国の量的緩和のあおりを受けて商いが非常に低調(特に日本はひどい)な期間が長く厳しい局面だったのが2010年半ば以降。 株式の世界では2000年初頭から米国で電子取引が活発化しそのアルゴリズムの優秀さが証券会社の良し悪しを決める重要事項になっていた。 トレーディング部門のブローカーレビューでは新たにアルゴリズムというカテゴリーが追加されそれがどんどん拡大していった。 電子取引という聞こえが非常に先進的なこの新たなトレーディング手法こそ、今の時代強力な戦力になっている反面収益を逼迫させている。 諸刃の刃だ。 電子取引経由での注文はDMAやアルゴリズムなど複数系統あるのだがそれぞれ伝統的取引手法と比較すると格段に手数料が安い。 薄利多売型ビジネスモデル 当然証券会社は取引手数料だけでは収益がただ落ち込むだけなのでプライムブローカレッジ部門を強化してヘッジファンドビジネスを拡大することで手数料だけでなく信用供与、口座管理など付随的な収益を狙うことを目的にヘッジファンド顧客の囲い込みに力を入れる。 このビジネスモデルが上手く行き始めると証券会社は伝統的キャッシュビジネスの収益性を気にし始め、伝統的なロングオンリー機関投資家(特に国内)カバレッジは収益性の悪さを嫌気してカバレッジ体制を修正する。 人的投資を減らす、もしくは削減してシステム投資に力を入れようとする。 これがリーマンショック以降の証券会社ビジネスモデルの変化のポイントだ。 電子取引の台頭で小さくなった収益のパイは取引量の増大でカバーできれば問題なかったのだが、取引量が増えてもそのパイの減少をカバーできず、さらにチケット枚数が増えることで場口銭コストが増大してしまったためさらに自分で自分の首を絞めることになってしまった。 大なり小なり証券会社は新たな収益源を求めている。

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