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モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年10月22日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  イギリスのトラス首相が、わずか44日での歴代最短での辞任となった。日本の「戦後処理内閣」として機能した東久邇宮内閣(1945年8月17日~10月9日)の54日を下回るスピードだ。    基本的に「大統領制」よりも権限が強いとされる議員内閣制下の首相は、あっという間に辞めるとは、力の象徴とともに弱さでもある。  他方、安倍政権をのぞき、わずか1年程度で何人もの首相が辞めることを経験した日本人にとってみれば、首相の交代は年中行事であり、慣れっこ。  一節には、日本は”課題先進国”であるという。「時代は繰り返す」という言葉の通り、時間を直線でなく、円周状にみるなら、日本は先端を走る国であり、最後尾を走る国である。  問題は、「モデルケース」となる国がまったく見当たらないことだ。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- この夏の欧州の熱波到来で考えるヨーロッパのエアコン事情 「普及率5%未満」 ヨーロッパでエアコンが普及しない理由とビジネスチャンス --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  この夏、ヨーロッパの広い範囲が1週間にわたり熱波に襲われ、死者や森林火災が相次いだ。  イギリスでは7月、30℃を上回ることが珍しいイングランド地方でも40℃を超えた。英気象庁は、熱波警報最高レベルの史上初めて最大レベルにまで引き上げる。  これは事実上の「国家非常事態宣言」(英BBC)であるという。  ポルトガルでは7月14日に最高気温が47℃に達したほか、スペインでも45℃を記録。この2つの国では暑さが原因で、高齢者を中心に1000人以上が死亡(1)。  熱波の影響は、欧州南部では森林火災にも波及。 AFP通信によると、フランス南西部のジロンド県では約1万1000ヘクタールが焼失した。  それでも、欧州におけるエアコン普及率は極めて低い。ヨーロッパのすべての世帯でエアコンを使用しているには5%未満であるという(2)。  しかし、国際エネルギー機関(IEA)によると、欧州でもエアコン普及率が今後20年間で2倍に達すると予想されている。  欧州は、もともと夏は涼しく、さらに「エアコンは体に良くない」と考える風潮がいまだ根強いという(3)。 目次 ・ヨーロッパのエアコン事情 ・ヨーロッパでエアコンが普及しない理由 ・今後の動向 日本メーカーも着々とビジネスチャンスを狙う ・ヨーロッパのエアコン事情  ヨーロッパは長らくエアコン不要の地とされた。実際、欧州の家庭では、ほとんどエアコンは設置されていない。  ロンドンでは家庭どころか、地下鉄など公共交通機関でも冷房がない場所が存在。近年では市民が脱水症状になるのを防ぐため、交通局が水の持参を呼び掛けている(4)。  ドイツでは、冷房が入っている建やカフェなどを示す地図がSNS上で共有され、扇風機が品切れになることがたびたびある。  2019年の夏には、ベルリンのエアコン取付け業者は、あまりの申し込みの多さに電話受けの中止を余儀なくされた(5)。  しかし度重なる熱波は各地にエアコンの需要をもたらす。  イギリスでは、近年では、レストランやカフェ、映画館などでエアコンを完備するところが増えてきた(6)。イタリアでも、ホテルや商業施設、一部の家庭で設置が進んでいる(7)。フランスでは、業務用を中心に設置が進む(8)。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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