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トラス首相を辞任に追い込んだのは、消費税減税ではなく「法人税減税」である。

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
英国のトラス首相が辞任し、新たなスナク首相がきまりました。この報道を受けてよく耳にするのが「藤井さんはよく消費減税しろと言うけれど、やはり減税すると、マーケットは財政危機を危惧して混乱するんだから、減税はやはりダメなんじゃないですか?」という話。しかし、こういう指摘はまったくもって不当な指摘なのです。なぜなら、トラス首相を辞任に追い込んだのは、消費税減税ではなく、「法人税減税」だからです。 そもそも、コロナで弱った経済状況の中で、石油などの輸出価格が高騰してもたらされたインフレ対策として消費税を減税するのは、至極当然の話です。短期的に物価を引き下げる効果があるのはもちろんのこと、長期的に賃金を引き上げる健全なインフレを持続させる効果を持つからです。 だから、トラス首相のみならず、ジョンソン元首相も消費税(付加価値税)の減税は主張していたのであって、この消費税引き下げを問題視する声は決して大きくはなかったのです。 今回問題視されたのは、法人税の減税なのです。 そもそも、英国では法人税は引き下げるのではなく「引き上げる」議論がされていました。 ところがトラス首相はこの引き上げを凍結してしまったのです。

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