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石川 温の「スマホ業界新聞」
2022/11/05(vol.490)
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《目次》
1.楽天モバイルのプラチナバンド割り当てにKDDIとSB社長が牽制球
-----KDDI高橋社長「ちょっと言い過ぎなところもあるのでは」
2. 「楽天に割り当てるプラチナバンドは残っていない」は事実誤認
-----地上デジタル放送枠を整理すれば「バンド71」というお宝が
3.注目を集めるスマートフォンと衛星の直接通信
-----ソフトバンク宮川社長「HAPSは諦めたつもりはない」
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.楽天モバイルのプラチナバンド割り当てにKDDIとSB社長が牽制球
-----KDDI高橋社長「ちょっと言い過ぎなところもあるのでは」
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楽天モバイルにプラチナバンドを割り当てる議論は、楽天モバイル自身が「競願すれば勝てる」と力説するなど、総務省からの割り当てはすでに既定路線な感がある。
一方的に虎の子であるプラチナバンドを獲られる側の既存3社としてはたまったものではない。
KDDIの高橋誠社長は「獲られると決まったわけではない」としながらも「有効利用中の周波数をほかの事業者に再割り当てする場合は、慎重な議論が必要だと申し上げてきた。楽天モバイルは強気に『フィルターはいらない』とか『費用は負担しない』と言っているが、ちょっと言い過ぎなところもあるのでは」と牽制した。
確かにプラチナバンドを獲られるだけでなく、フィルター設置工事も既存3社で負担しなければならないとなると納得がいかないのは当然だ。
プラチナバンドがなくて苦労してきたソフトバンク・宮川潤一社長は「楽天モバイルの気持ちはよく分かる。とはいえ、既存ユーザーをどうするか。もし、楽天モバイルへ5MHz幅が割り当てられるにしても、相当な準備期間がなければならない。明日、渡すなんてのはさすがに無理だ」と語る。
高橋社長も「さすがに不可能だ」と苦言を呈す。続けて「実際にプラチナバンドを取得すると、投資額もかかる。経営基盤なども考慮しながら、最終的に総務省が判断するのではないか」とした。
ソフトバンクの宮川潤一社長は「ソフトバンクでは、12万局作り、面のカバーを広げた。トラフィックが増えた現在、当時の苦労が活きてきた。大容量通信や無制限サービスなどを出すことができたのは当時のおかげ。(楽天モバイルを)なんとかサポートできるのであればしたい。地に足がついた形でゆっくりと話せればいいが、我々にも既存ユーザーがいることをご理解いただきたい」と語るなど、遠回しに「まずは基地局を大量に作った方がいいのでは」とアドバイスした感がある。
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