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<Vol.1282号:増刊:FRBの利上げの意味と困難な展開>
2022年11月06日:金利上昇がもたらす金融危機とFRB
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米国FRBは、11月のFOMC(連邦公開委員会)おいて、0.75%の利上げを決め、短期金利は4%煮上がりました。
FOMCは、FRBの金融政策を決める機関です(11月:年7回開催)。基軸通貨とされているドルの金利は、世界の金融に影響を及ぼします。なお12月の利上げについては、軟化した0.5%を示唆しています。市場は、これを利上げの減速として好感しています。
◎市場では0.75%は予想され、10月の株価には織り込み済みだったので、波乱はなかった。市場の関心は12月の利上げ幅(0.5%?)と、2023年のピーク金利が何%になるかに移りました。4.5%から5%までの幅でしょう。最悪は5.5%です
FOMCは、2022年3月からの合計で、3.75ポイントの利上げを決めました。1回が0.25%だった過去の、3倍の速度です。FRBのインフレへの危機意識が、市場よりは強いことを示す事実がこれです。
【重要な点】注目すべきは、イールドカーブでの、長期金利の低さです。1年の短期金利は、4.66%に上がっています。ところが、市場の売買で価格が決まる10年債の金利は、4.1%と短期金利より低い。これは、景気の大きな後退期に多い、マレなことです。普通なら、短期金利が4.66%であれば長期金利は6.5%以上です。
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【理由】このイールドカーブは、市場の投資家が、「長期ではインフレ率は下がって、FRBは景気悪化を懸念し、利下げ方向に転じる」と見ていることを示します。市場の投資家は、インフレ予想に対して、FRBの金利誘導が高すぎると反発しているのです。
https://irbank.net/usa/yieldcurve
FRBはインフレを恐れすぎであり、金利も上げすぎだという観測です。短期金利はFRBの誘導によって決まりますが、長期金利は、市場の長期国債の売買で決まります。FRBのインフレへの見方と、株価と国債価格の下落を嫌う市場の見方が、反しています。
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本稿では、2022年の、通常の3倍の速度での利上げの意味と展開、そして、金融危機の可能性を分析して書きます。論理的に分析することは予測することになるからです。
それに、2021年までは超低金利の国債価格が、利上げにより下がることの影響が、金融危機になるくらい大きいからです。長期債は金利1%の上昇につき、価格は約8%下がります。
株価が30%下がるより、株価より金額が大きな国債価格の15%下落が「大変(タイヘン)」だと、認識してください。
【2021年までは、超金融緩和だった】
2021年までは、コロナ・パンデミック対応の金融緩和として、
・1.9兆ドル(275兆円)の緊急の財政支出をして、
・同時に、短期金利を0%~0.25%に下げていました。
長期金利(10年債の金利)も、1.5%くらいと最低水準だったのです。
1)GDPの10%という、大きな財政拡張と、
2)超低金利から増えたマネーは株価に流れ、
S&P500(500社の加重平均株価(株価指数の代表)は、2300ドルという危機的水準(20年3月)から、ウクライナ戦争直前の21年12月には4766ドルへと2.1倍に高騰していました。
【マネーサプライ(企業と世帯の預金)は、銀行からの借り入れによって増加する・・・マネー量の増加と減少の原理】
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