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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4434号 令和4年11月4日(金)発行
発行部数 11,501 部
【空々茫々とせず、せっせと努力する】
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【空々茫々とせず、せっせと努力する】
本文に見える「孳々」という二字に目をつけるのがよいでしょう。
註にも、「勤勉の意」、
せっせと努力するという意味であるとあって、
空々茫々、何もせず漠然としているという意味ではありません。
およそ有志の人物は、一時でも空々茫々としていることはなく、
眠っている間でも、夢に傅説や周公のごとき人物を見るものであります。
ですから、起きたのに、
まだ空々茫々としていて物事に接していない時には云云
などという疑問は、生ずる余地がないのです。
その上、家にとって、
早朝はもっとも忙しいもので、
『礼記』内則篇にも、朝の仕事として、顔を洗い、髪をすくことより、
父母や舅姑に挨拶をすることまで、
多くのことが挙げてあるのでも、
それが知られます。
わたくしは、生来のなまけもので、
一番鶏の声も聞いたことがないほどの朝寝太郎の身で
野山の獄の二畳の部屋に起居しているのですから、
まだ物事に接しない時もあるに違いないと思ってはいますが、
しかし、大抵、起きると隣の囚人と語ったり、
ふとんを収めて掃除をしたり、
やがては書物を開いて読んだりして、わずかの暇もありません。
まして家にいたならば、尚更、暇はないでしょう。
殊に、冬月の光がさしこんでくる長い夜、
獄中には火気全く絶えてしまい、寒気があまりにも激しくて、
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