ヒント:これまでのITやOT、プロダクトに関する知見と現在の社会インフラ事業とのシナジーが大きい●●事業
この記事は沼幹太さんとの共同制作です。
今回は、110年の歴史を持つ日本を代表する企業、株式会社日立製作所を取り上げます。
上の画像は、日立製作所の過去30年間(1993年から2022年11月あたり)の株価チャートです。
日経会社情報DIGITAL:SmartCartPLUS(日立製作所)
日立製作所の株価は、2009年のリーマンショックで1,000円台にまで下落するなど長らく低迷が続いていましたが、ここ1、2年で急上昇しており、2022年11月1日には2000年以来の7,000円台を突破しました。
この日立製作所の復活の背景にある事業戦略を、2022年4月に発表された2024中期経営計画や直近の決算資料等を元に考察していきます。
日立製作所の変遷
日立製作所は1910年(明治43年)に、創業者である小平浪平氏によって設立されました。鉱山用の電気機械から始まり、蒸気機関車やエレベータの製造、発電機や火力発電、鉄道や昇降機の製造など、戦時中〜戦後の日本の復興と近代化を支えました。
また1950年代以降は家電やコンピュータ開発に乗り出します。家電が「三種の神器」「3C」などと呼ばれた時代には、「家電の日立」の地位を確立していました。
しかし日立製作所は、リーマンショックにより2009年度の通期連結決算で最終利益▲7,873億円の赤字を計上し、経営危機に陥ります。
この赤字額は、当時の日本の製造業で最大の赤字額でした。(東芝が2017年に▲9,656億円の最終利益を計上し、歴代最大の赤字額を更新)
2009年の経営危機以降、不採算事業の売却など改革を遂行し、2011年度に黒字化しました。また、経営危機の反省を活かし、経営戦略の転換を2012年の中期経営計画にて発表しています。
その経営戦略の内容は、従来型の、
・高品質な「ものづくり」に優れた製品システムの提供
・日本国内を中心とした事業成長
から、
・製品/システムにデータを活用した「社会イノベーション事業」
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