これについて「そういう時代、そういうトレンド(なんだから仕方ない
)」と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、「これがいつまで続く
んだろう……」と思うとため息が出てくることも事実です。これはファン
ダム問題とも無関係ではないはずで、要は終わることのないファンの欲望
をフランチャイズがすくい上げすぎているというか、終わることのない欲
望に対して終わることのない作品群で応える限りにおいてカネが回り続け
る……という、非常に資本主義的なシステムが構築されていて(資本主義
は「終わらないサイクル」であるところにその特徴があります)、それを
フランチャイズあるいはその親会社が是としている(そしてファンダムも
それを是としている)、ということなんでしょう。しかし、そこでないが
しろにされていることがあって、それは「その欲望はそもそもどういうも
ので、一体誰の欲望だったのか?」ということなんですが、そこが超絶に
曖昧にされていく過程もまさに高度資本主義そのものではないかと思いま
す。我々があたかも「自分の欲望」のように感じていることのほとんどは
他者の欲望に過ぎないからですーー他者の欲望なのに、それを「あなたに
はこういう欲望がありますよね」「その欲望にはこういうバリエーション
でお応えすることができますよ」と囁いてくるのが広告です。
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