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チャーハン

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室167.2022.11.20. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** チャーハン もう秋も終わり冬になりつつありますが、地球温暖化現象の影響か、年々夏が長くなり、秋が年末にずれ込んでいるように感じるのは私だけではないと思います。さて、秋と言えば、食欲の季節です。いろいろな食べ物が大好きな私ですが、今回はとある休日に食べたチャーハンがあまりにも心に響いたので、その話をしたいと思います。 チャーハンにもいろいろありますが、最近みじん切りにした人参が入っているチャーハンをよく見かけます。私は個人的に人参が好きでなく、入院するときには食物アレルギーの欄に「人参」と記載することもあるくらい全く受け付けない食べ物です。(人参農家の方すいません。ジュースなら飲めます)塊のにんじんはなんとか食べることができますが、どうもみじん切りにした人参入りの食べ物は全く食べることができな いわけです。小さいとき、人参嫌いの私に人参を食べさせるべく、母親が家で作るハンバーグの中に大量の人参のみじん切りを入れている事実を知った時以来、とにかく、みじん切りのにんじんは味以前に受け入れられなくなったわけです。したがって、みじん切りの人参入りのチャーハンはいただけません。 グリーンピースが入ったチャーハンも時々見かけますが、やはりチャーハンにはグリーンピースでなくネギだろうと思っています。チャーハンの具は焼き豚、卵、そしてネギで十分、そしてそのチャーハンの味付けは薄味でなく、醤油の色が前面に押し出されるくらい少し濃い目の味付けのチャーハンが好きなわけです。薄味のチャーハンを提供する店も多く、最近おいしいシンプルなチャーハンを提供する店が少ないなあと思っていた次第です。 しかしながら、ある時のことです。「うま屋」というラーメンチェーン店に入った私は、「名古屋地区プロが選んだチャーハンでNO1」というポップにひかれてチャーハンを注文します。ラーメン屋のチャーハンなんて、所詮ラーメンメインに半チャーハンをくっつけたチャーハンセットを注文する客のための、つけたしのような位置づけで、あまり期待していませんでした。ところが、どうでしょう、少し濃い目のシンプルな具のチャーハンに、奥深く、そしてなぜか懐かしい、いままでほかの店で食べてきたチャーハンは何だったのだ、というような驚きの味を感じてしまったわけです。心の琴線に響く味でした。 しかしながら、なぜ自分の心の琴線に触れたのか、考えてみると同じ味のチャーハンを食べたことがあったわけです。どこで食べたのか、この味、懐かしい味、、、、、思い出してみると幼き頃、父方の祖母が作ってくれたチャーハンと同じ味なのです。 父方の祖母は、昭和初期、奉公先の家に寄宿する書生さん(急性東京大学法学部、医学部の学生たち)の世話を行っていました。書生さんたちに少しでもおいしいものを食べさせようとした、奉公先の当主(当時宮内庁の長官であったTさん)が祖母を赤坂の料理学校に通わせてくれたようです。そのため、祖母が作る料理はとてもおいしく、ハイカラで、50年前、三重県尾鷲市で初めてカルボナーラを食べたのは、僕ではないのかと思っています。(当時はミートソースとナポリタンしかなかった。)出世した書生さんたちが本を上梓した際、その本の中に「ふでさんのコキール」という一節があるくらいです。祖母の名前はふでさんです。 幼き頃、いつも祖母と一緒に寝ていました。フクロウの鳴き声が聞こえたら夜中でも起こしてくれと頼んで起こしてもらったこと、魚の泳ぎ方を種類別に教えてもらったこと(きっと祖母は想像を交えて教えてくれたんだろうと思います。)、戦争直前にTさん宅を訪れた当時の連合艦隊司令長官山本五十六元帥にお茶を出したこと、私をおんぶしていつも公園に連れて行ってもらったこと、泣き虫だった私に男の子は泣いたらだめだと叱ってくれたこと、そんな思い出が、チャーハンを食べたくらいで一気にあふれてきたわけです。 墓参りもろくにしない孫ですが、いつまでたってもおばあちゃんの作った懐かしい味、心の中にしっかり残っています。久しぶりに墓参りに行こうか。 ***************************** ドクター畑地の診察室167.2022.11.20号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 次号は2022.11.27.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 ***************************** ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください! ◆2022年10月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2022/10 2022/10/30 ホーリーサクセスフルナイフ 2022/10/23 いつまで治療を続ければよいのか 2022/10/16 年に一度の検診 2022/10/09 呼吸器疾患治療 2022/10/02 抗原検査、PCR検査はすべて単一か ◆2022年09月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2022/09 2022/09/25 しゃっくり 2022/09/18 1年に1回

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