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モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年11月20日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- なぜ北朝鮮はミサイルを発射しまくるのか? 追いつめられた北朝鮮 もはや”ミサイル発射”でしか対抗できない -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 今年に入り、北朝鮮がかつてないペースでミサイルを発射している。10月4日には、およそ5年ぶりに日本の上空を通過させる形で中距離弾道ミサイルと推定される1発を発射。  そのおよそ1か月後の11月3日にも、今度はICBM(大陸間弾道ミサイル)級の可能性があるミサイルを発射した。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは2022年に入り30回以上。  北朝鮮情勢に詳しい南山大学の平岩俊司教授は、北朝鮮の思惑についてNHKの取材に対し、 「アメリカ軍と韓国軍が4か月連続で演習や訓練を続けるなか、相手側より強硬な措置に出ることで、米韓に譲歩しない対決姿勢を示すのが最大のねらい」(1) と指摘。さらに、 「アメリカのバイデン政権に対して、米韓合同軍事演習の中止や経済制裁の緩和などが望めないなか、2021年1月にキム総書記が打ち出した「国防5か年計画」に従って、ミサイルなどの発射を繰り返しているという との見方を示す。  現在、北朝鮮は朝鮮労働党の創立から80年の節目にあたる2026年までの「国防5か年計画」を打ち出し、これに基づき、新型兵器の開発を進め、ことしに入ってさまざまな種類のミサイルを発射している状態だという。 目次 ・北朝鮮 ミサイル開発の歴史 ・追いつめられた北朝鮮 もはや”ミサイル発射”でしか対抗できない ・防衛費2%問題の真意 「最後の公共業」をアメリカに差し出す ・北朝鮮 ミサイル開発の歴史 北朝鮮のミサイル開発の歴史は、1960年~70年代の近距離ロケット砲から、80~90年代には短・中距離の弾道ミサイルへと進み、現在ではさらに射程の長いミサイルの研究・開発を進めているという(2)。 近年では、欧米諸国を標的にできるICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発へと進んだ。  北朝鮮による最初の近代的ミサイルの開発は、旧ソ連の「スカッド」という短距離ミサイルから始まる。1976年に初めて、エジプトから入手したとも(3)。  1984年には、これをもとに国産の短距離ミサイル「火星(ファソン)」を製造。現在、北朝鮮は、韓国を射程に収める短距離ミサイルを何種類も保有。  1980年代には、新たな準中距離ミサイルの開発に乗り出す。射程が約1000キロの「ノドン」だ。  数年前からは、中距離ミサイルである「ムスダン」の開発に着手。2016年には、数回にわたり発射実験。  ただ、推定射程には幅広い説があり、イスラエル情報当局は2500キロ、米ミサイル防衛局は約3200キロとしているが、一部では最大4000キロとも。  一方、多段式ミサイルの開発も進んだ。「白頭山1」と呼ばれる「テポドン1」であり、この10年間では、「テポドン2」(白頭山2)も。そして、現在の大陸間弾道ミサイルとつづく。 ・追いつめられた北朝鮮 もはや”ミサイル発射”でしか対抗できない  今年に入り、連日発射を繰り返す北朝鮮の動きとともに、メディアは露骨な緊張感を伝える。ただ、北朝鮮はどこにも戦争を仕掛けることができず、散々いわれた”核実験”は、北朝鮮そのものの崩壊をもたらす。  石油も枯渇状態にあり、核とミサイル技術不足に直面。足元では食糧難は襲う。  北朝鮮が連日ミサイルを発射する理由は、”もはやそれしか”対抗手段がないためだ。当初、ウクライナ戦争の影響とともにミサイルを発射した。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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