2022年 第 46号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
長尾和宏です。怒涛の週末を過ごしています。いろいろなことがありすぎて、頭が
混乱しています。おかげさまで木曜日は、おそらく今年最後のライブとなるであろ
うチキンジョージでの「ひとり紅白歌合戦」を無事開催できました。平日の夜にも
かかわらず、100名以上のお客さんにお集まりいただいた。御礼申し上げる。
メンバーたちと軽く打ち上げをやって、家に戻ったときは午前を回っていた。
リハーサルと合わせたら、40曲以上やったのでさすがにグッタリ。でも翌日、僕は
国会に呼ばれていた。厚労省から「感染症法見直し」について、参考人招致された。
僕の参考人招致が確定したのは、水曜日のこと。つまりライブの前日だった。
永田町から呼ばれるというのは、こういうことなのかというくらい細々とした確認
事項。経歴、肩書、国会までどうやって来るかなど交通機関さえ一々チェックされる。
まるで取り調べを受けているみたいだった。突然の招致だし、前の日はライブだし、
正直あまりの煩雑さに「断ってしまおうか」とも思った。
だけど、これはチャンスである。
いつも偉い人しか呼ばない厚労省が、町医者の僕を呼んでくれただけで嬉しいじゃ
ないか。今、何が起こっているか。精一杯話さなければ、そう考えて引き受けた。
疲れで重い体を引きずりながら三宮から満員電車のポートライナーで神戸空港へ。
9時20分の羽田行き。朝一の飛行機なので機内は満員。2年前は、たった2~3人
のときもあった。第8波がきたって、市民はもう怖れてなんかいない。市民のほうが
よほど知っている、もうコロナは怖くはないことを。資料を読み込もうとしたけど、
11月の冷たい朝の光を浴びた眼下に広がる雲がきれいで、つい見とれてしまった。
飛行機に乗るたびに、雲と光のコントラストに癒される。悲しいときも嬉しいときも
雲と光が僕を包んでくれる。
今、有志看護師の会で日々頑張っているT君に今回は国会まで同行していただいた。
コロナ禍まで関東の大病院にいた。だけど、その一見、正義の味方のようにメディア
で発言していた病院長の「二面性」に失望し、関西に戻ってきた。
子どもへのワクチンを止めさせたい、そんな想いで、無私無欲で僕の活動を助けて
くれる大事な存在。
今は故郷の淡路島を再び生活拠点として関西で活動をされている。
そのT君は、今のままでは何も変わらない。こうなったらもう国会議員になるしかな
いんではないか、と最近考えている。政治家じゃないと国は変えられないからと。
だから僕は、T君を今回、参考人招致に同行者として来ていただいた。
「永田町がどんなところか、肌で感じてごらんよ」と。
T君はまだ30代。生真面目さと正直さを全身で表現したようなダークスーツで緊張
した面持ちで僕と一緒に永田町に降り立った。
この日僕が参考人として呼ばれたのは、「感染症改正案」についての意見を、専門家
の立場から述べてほしい、ということだった。
感染症改正案審議入り…………‥以下、11月9日NHKニュースより……………
地域の医療提供体制の強化策を盛り込んだ感染症法などの改正案は、参議院本会議で
審議入りし、岸田総理大臣は「国民の命と健康を守るため、次の感染症危機に万全を
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