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中国「台湾侵攻」、制裁で経済はマヒ状態へ 国内は派閥絡む「低俗な争い」

勝又壽良の経済時評
  • 2022/11/21
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浮上した27年台湾侵攻説 中国は西側へ高い経済依存 半導体では手も足も出ない 「派閥争い」絡む政策転換 習近平氏は、念願の中国国家主席3期目を実現させた。最高指導部メンバーは全員、習氏に近い人脈で固めた。これで、心置きなく台湾侵攻作戦を発動できる体制ができ上がったと言えよう。習氏と中国経済の運命は、ここからどう転ぶかである。習氏は、むろん必勝体制を組むであろうが、それを阻止する要因も極めて大きいことに留意する必要がある。 最大の問題は、中国経済が2001年のWTO(世界貿易機関)加盟以来、世界経済と深い関わりを持ったことである。西側諸国は、中国の輸出国6位までのシェアが30.6%(2020年)を占める。輸入国6位までになると、西側諸国が44.0%(同)にも達している。この事実は、中国が台湾侵攻と同時に受けるであろう西側諸国からの制裁によって、経済をマヒさせられることを予告している。主要の輸入がストップするからだ。 中国が、事前にこの制裁を回避すべく輸入を急げば、必ずその意図を詮索される。そして、「台湾侵攻作戦」準備と気取られれば、西側は黙って見ているはずがない。米上院外交委員会ではすでに、この段階から中国へ制裁を発動させる法案を可決している。要するに、ロシアのウクライナ侵攻という前例があるので、中国の台湾侵攻へは「万全の阻止体制」が組まれることになろう。 その上、台湾海峡(最短部で140キロメートル)という天然の要塞が存在する。ロシアのウクライナ侵攻では、国境を接していることから、易々と国境線を越えられた。台湾侵攻ではそういう「利便性」がなく、台湾海峡という存在が最初に立ちはだかる難所になる。 浮上した27年台湾侵攻説 現在、中国はすでに台湾侵攻の準備を始めているのか。2021年春まで務めた米インド太平洋軍司令官は21年の米議会証言で、中国が2027年に台湾を侵攻すると予測した。米軍のマーク・ミリー統合参謀本部議長も、2027年が人民解放軍創設100周年にあたることから、この予測を支持している。 27年はちょうど、習氏の国家主席3期目が終わる年だ。習氏が、4期目を狙う足掛かりとして、台湾侵攻を始めるというものであろうか。個人の栄達目的で、習氏が戦争を始めるという民主主義社会では、想定もできない「おぞましい」推測である。 中国が台湾侵攻作戦を始めるには、大部隊が台湾海峡を超えなければならない。軍事専門家によれば、その準備に半年から1年はかかるという。西側諸国に気づかれずに、そのような準備をすることは不可能とされる。人工衛星などで事前に把握できるからだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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