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ビジ選☆リーダーズ Vol.975『DAOの衝撃』(小澤隆博)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■今注目の「DAO」とは何か インターネットの新たな概念が「Web3」だ。そこで掲げられる 理想は「非中央集権」の世界だ。個人データを特定の管理者に集め ない仕組みだ インターネットの幕が開いたのがWeb1.0時代、GAFAMなどの 巨大プラットフォームにデータが集中したのがWeb2.0の時代だ。 そこから、さらにWeb3の時代に移行しつつある。 ここでは、ブロックチェーン技術を利用して個人データをプラット フォーム企業などの特定の管理者に集めない仕組みを目指す。これ が、組織のあり方も変化させる。それが「DAO」(ダオ)だ。 DAOとは、特定のリーダーを作らず、みんなで意思決定を行う 「分散型自律組織」のことだ。トークンと呼ばれるデジタルマネー を用いて、運営方針を決めたり、利益を分散したりできる。 そのため、公平に運営できることが期待されている。2022年は 「DAO元年」と言われており、世界中で様々なDAOが作られは じめているのだ。 ★ DAO とは、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して、管 理・運営する組織だ。株式会社のアップデート版となりうる組織体 系といえる。その特徴は、主に3つある。 1つ目が「中央管理者がおらず、参加者同士で管理する組織であ る」ことだ。従来の会社組織は、上層部が意思決定する。いわゆる トップダウン方式だ。 一方、DAOは「代表者が存在していないフラットな組織」だ。ト ークン保有者なら誰でも、プロジェクトの運用方針に意見ができ、 管理者の許可なく情報が参照でき、参加者同士で意思決定する。 ★ 2つ目が「誰でも組織に参加でき、投票ですべてが決まる」こと だ。DAO には、誰もが参加することができる。興味があれば、 試験や面接、雇用契約など抜きに自由にメンバーになれる。 ただし、意思決定に関わるには「ガバナンストークン」を保有する 必要がある。これは、DAOの運営において、コミュニティの意思 決定を行う際の「投票権付きトークン」のことだ。 トークンの保有者は、組織運営に対する提案をしたり、意思決定に 関わる投票に参加したりする権利が得られる。これが、従来の株式 会社の「株式」のようなものになる。 ★ 3つ目が「透明性が高く、誰でもソースを閲覧できる」ことだ。透 明性が高いため、どんなルールで運営されているのかが誰でも閲覧 できる。 DAOは、ブロックチェーン上で運営されている。ルールは参加者 同士の意思で決定され、そのルールは「スマートコントラクト」で 実行される。 スマートコントラクトとは「ブロックチェーン上で取引の契約を自 動的に実行する仕組み」のことだ。自動販売機に効果を入れ、ボタ ンを選択した瞬間に売買契約が成立するイメージだ。 従来の株式会社は、組織のルールがすべて明文化されて、公開され ているわけではない。社員や外部の者が全体のルールを確認するの ことは困難だ。 一方、ブロックチェーンは「オープンソース」だ。コードが公開さ れている。ソースコードを見れば、どのようなルールで組織が運営 されるのかが誰でもわかる。 ソースコードとは、プログラミング言語を用いて記述したソフトウ ェアやプログラムの設計図のことだ。単に「ソース」とも呼ばれ ることもある。 このように、DAOは、組織の参加者も、そうではない人もソース コードを閲覧することができる。だからこそ、ルールが明確で、透 明性が高いフェアな組織と言えるのだ。

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