■今注目の「DAO」とは何か
インターネットの新たな概念が「Web3」だ。そこで掲げられる
理想は「非中央集権」の世界だ。個人データを特定の管理者に集め
ない仕組みだ
インターネットの幕が開いたのがWeb1.0時代、GAFAMなどの
巨大プラットフォームにデータが集中したのがWeb2.0の時代だ。
そこから、さらにWeb3の時代に移行しつつある。
ここでは、ブロックチェーン技術を利用して個人データをプラット
フォーム企業などの特定の管理者に集めない仕組みを目指す。これ
が、組織のあり方も変化させる。それが「DAO」(ダオ)だ。
DAOとは、特定のリーダーを作らず、みんなで意思決定を行う
「分散型自律組織」のことだ。トークンと呼ばれるデジタルマネー
を用いて、運営方針を決めたり、利益を分散したりできる。
そのため、公平に運営できることが期待されている。2022年は
「DAO元年」と言われており、世界中で様々なDAOが作られは
じめているのだ。
★
DAO とは、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して、管
理・運営する組織だ。株式会社のアップデート版となりうる組織体
系といえる。その特徴は、主に3つある。
1つ目が「中央管理者がおらず、参加者同士で管理する組織であ
る」ことだ。従来の会社組織は、上層部が意思決定する。いわゆる
トップダウン方式だ。
一方、DAOは「代表者が存在していないフラットな組織」だ。ト
ークン保有者なら誰でも、プロジェクトの運用方針に意見ができ、
管理者の許可なく情報が参照でき、参加者同士で意思決定する。
★
2つ目が「誰でも組織に参加でき、投票ですべてが決まる」こと
だ。DAO には、誰もが参加することができる。興味があれば、
試験や面接、雇用契約など抜きに自由にメンバーになれる。
ただし、意思決定に関わるには「ガバナンストークン」を保有する
必要がある。これは、DAOの運営において、コミュニティの意思
決定を行う際の「投票権付きトークン」のことだ。
トークンの保有者は、組織運営に対する提案をしたり、意思決定に
関わる投票に参加したりする権利が得られる。これが、従来の株式
会社の「株式」のようなものになる。
★
3つ目が「透明性が高く、誰でもソースを閲覧できる」ことだ。透
明性が高いため、どんなルールで運営されているのかが誰でも閲覧
できる。
DAOは、ブロックチェーン上で運営されている。ルールは参加者
同士の意思で決定され、そのルールは「スマートコントラクト」で
実行される。
スマートコントラクトとは「ブロックチェーン上で取引の契約を自
動的に実行する仕組み」のことだ。自動販売機に効果を入れ、ボタ
ンを選択した瞬間に売買契約が成立するイメージだ。
従来の株式会社は、組織のルールがすべて明文化されて、公開され
ているわけではない。社員や外部の者が全体のルールを確認するの
ことは困難だ。
一方、ブロックチェーンは「オープンソース」だ。コードが公開さ
れている。ソースコードを見れば、どのようなルールで組織が運営
されるのかが誰でもわかる。
ソースコードとは、プログラミング言語を用いて記述したソフトウ
ェアやプログラムの設計図のことだ。単に「ソース」とも呼ばれ
ることもある。
このように、DAOは、組織の参加者も、そうではない人もソース
コードを閲覧することができる。だからこそ、ルールが明確で、透
明性が高いフェアな組織と言えるのだ。
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