メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

週刊Life is beautiful 2022年11月29日号:NounsFes、世界初のベクター形式のオンチェーン・フォント

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 世界初のベクター形式のオンチェーン・フォント 先週、開発のプロセスを紹介した、オンチェーン・フォントですが、予定通り Ethereum mainnet にデプロイすることが出来ました。 調べてみると、ドットマトリックスタイプのフォントをブロックチェーンにデプロイした人は過去にいますが、ベクター形式のフォントをブロックチェーンにデプロイしたのはこれが世界で最初です。 CP/MやMS-DOSの時代はドットマトリックスのフォントを使っていましたが、MacintoshやWindowsの時代にベクター形式のフォントに変わり、一気に表現力が上がりましたが、それと同様の進化を Ethereum Virtual Machine に起こしていると考えていただいて結構です。 フォントをブロックチェーン上にデプロイすることは以前から考えてはいましたが、今回 pNouns というプロジェクトに関わることになり、予定が一気に前倒しになりました。 パジさんという方が、pNounsというプロジェクトを立ち上げた際に、「Nounsと同じくフルオンチェーンのNFTを作る」と宣言されていたので、ついうっかり手を上げて参加することにしてしまいましたが、それが良かったのです。 フルオンチェーン・アートの世界は、ライバルがほとんどいないブルーオーシャンだということは以前にも書きましたが、一人で勝手に先に進んでも誰もついてきてくれないので、そこが悩みの種だったのですが、pNounsというプロジェクトのおかげで、私の作っている技術の価値を理解してくれる人が増えたし、フォントを作ってくれる人まで現れてくれたのは、とてもラッキーでした。 もう一つ良い兆候なのは、私が作っている技術を評価してくれる人が英語圏にも徐々に現れ始めていることです。TwitterやRedditを通じて、小さいながらも徐々にフルオンチェーン・アートの価値を見出すコミュニティが生まれつつあるように感じます。 過去の二つ(On-chain Splatter と On-chain Bitcoin Art)に関しては、250個づつを売り出し、即日完売をしましたが、今回は少し積極的に500個を売り出すことにしました。 まずは、既にフルオンチェーン・アート・シリーズのNFTを持っている人限定に販売し、その後一般に販売するという販売方法を採用です。 White List(WL)とかAllow List(AL)と呼ばれる手法で、過去にサポートしてくれた人を大切にしつつ、同時に「限定販売」という希少価値を与えようという試みです。 ちなみに、この販売方法をアナウンスしたとたんに、On-chain Splatter と On-chain Bitcoin ArtのOpenSeaでのフロアプライス(最低価格)が上昇しました。 そうなるだろうなとは予想していましたが、実際に期待していた通りになると不思議な気持ちになります。あまりやりすぎると「ダークな世界」に入ってしまいそうなので、あくまで「既存のユーザーを大切にする」ことをモットーに色々と実験してみたいと思います。 ちょうど私が日本に来ていることもあったので、限定版(それも一人1個に限定したもの)を日本時間の金曜日の午後5時に発売し、それが売り切れてから一般公開向けのもの(パブリックセール)を、今度は米国時間の金曜の午後にリリースすることにしました。 限定版の販売は予想通り順調に進み、私が寝るころ(10時)には半数以上が売れていました。そもそもALの対象が500個しかなく、かなり重複があることを考えればとても順調です。 朝になって起きてみるとほぼ売り切れていたので、そこで250個を追加した上で、一般公開し、まずは英語のTwitterのみでアナウンスしました(米国時間の午後3時ごろ)。 すると、そこからは英語圏からのユーザーからも良い反応があり、日本時間の昼前に売り切れました。 少し残念だったのが、パブリックセール開始直後から、数多くのNFTがOpenSeaに売り出され、フロア価格(最低価格)が一気に下がった点です(0.017ETH)。ある程度の予想をしていたとは言え、パブリックセールにしたとたんに、短期の利鞘稼ぎの購入者が殺到したようです。 そして、完売後に、今度は、OpenSeaに売り出されいた転売品の購入が一気に進み、フロア価格が上昇しました(ピークは、0.08ETH、このメルマガを書いている時点では0.04ETH) 。私としては、NFTを通じてより多くの人たちと長期的な繋がりを持ちたいので、価格の乱高下は好ましくありませんが、市場には「NFTの短期売買で利鞘を稼ぐ」人たちもたくさんいるので、仕方がなとは言え、少しドキドキします。 ちなみに、私のゴールはあくまで、「フルオンチェーンNFTを当たり前のものにする」ことにあります。 そのためのオンライン・フォントや、グラフィック・ライブラリを作っているのであり、「NFTを売り出すこと」はそこに至る手段であり、「NFTで大きな売上を上げる」ことは目的ではないのです。 「VCからお金を集めるべきかどうか」に関しては、それが上のゴールを達成する上で一番良い手段だと思えるかどうかで判断したいと考えています。 とりあえずは、今の形で進めつつ、共同創業者として適した人が見つかれば会社を作っても良いし、私のビジョンを理解してくれるベンチャー企業が現れたら、そこに参加しても良いと考えています。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 週刊 Life is beautiful
  • 「エンジニアのための経営学講座」を中心としたゼミ形式のメルマガ。世界に通用するエンジニアになるためには、今、何を勉強すべきか、どんな時間の過ごし方をすべきか。毎週火曜日発行。連載:菅首相に会って来た/米国で起業する時に知っておかねばならないこと。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 火曜日(年末年始を除く)