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【Vol.365】「朝マック1500円に見る日米経済論」

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2022/11/30 Vol.365 1. コラム「朝マック1500円に見る日米経済論」 急激に円安時代に突入した感じがします。いや、円安時代は急激ではなく以前からじわじわ続いていた。で、ここに来て一気に「超円安時代」になった感があります。エコノミストたちはまた違った意見かもしれません。経済のことがド素人の僕には、でもいきなり感がありました。(ここ数日で若干持ち直してきたものの、やはり確実に「円安時代」であることは間違いないと思います。) 急な超円安になった理由は一般的には、日米の金利差と言われてはいます。こっちでは金利は引き上げフェーズに入り、日銀は相変わらずゼロ金利だから、だと。理屈上ではわかります。でも、そのこと自体が「現在、アメリカでドルを稼ぎ、アメリカに進出する日本企業から円で稼ぎ、将来はドルを円に換金して日本で円暮らす」ことを計画している僕にとって、いいことなのか、悪いことなのか。頭ではなんとなく計算するけれど、実感として「おいしい」も「やばい」も感じられない。経済はいつだってよくわからない。そんなアホ感想が本音だったりします。 ただ理屈を考えた際、アメリカの金利が高いということは、マーケットからシッカリ上に吸い取られているということだし、金利ゼロの日本はそれだけ市場に残ってるってことではあるはず。あ、だから円安なのか。うーん、やっぱりエコノミクスを語るには、自身がある程度の大金を運用していないと、実感として語りようがない。僕にその資格はない。 著名な経済評論家の記事を読むと「本当に深刻な事態になるのはむしろ円高の方だ!」とか書いてるし、それがリアルな解答なのか、奇をてらった逆張り意見なのかすらわからない。リアルな経営者の記事では「円安でいいことなんて何一つない!」とか怒ってるし。そりゃそうだよね。 でも、一般人は僕レベルの感覚の方、多いのではないだろうか。 円高は輸入品が安く買えて、海外旅行に行きやすくなる。円安はその逆。海外から外国人観光客が増えるので、観光地は潤う。けど、こっち(日本)から海外旅行に行くのは厳しいよね。それくらいの知識ではないでしょうか。 アメリカにも日本にも顧客が半々くらいいて、年の3分の1は日本に出張に行く、僕個人はそれらの要素がぐちゃぐちゃに絡み合います。こっちで得して、こっちで損する。結果、わけわからなくなり、どうでもよくなる。どうにかなる問題でもない。 ニューヨークに進出する中小企業のコーディネートを例にとってみると、景気低迷の日本を脱出して、または脱出しなくとも、ニューヨークに収益を上げられる拠点を持ちたいわけです、当然。売上にドルが欲しい。円安は海外進出を促進し、チャンスでもあります。でも、進出は当然イニシャルコストがかかります。コストもドル。円安のいま、円で戦うのはかなりキツイ。もともと円安だから海外進出を考えていた社長さんが、円安が収まるまで進出を少し待つことにした、と連絡が入ります。落語みたいな話ですが、リアルです。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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