いま加藤聡君の翻訳で、僕が監訳と解題を担当しているインテレクチュアル・ヒストリーについての小著が、再度にわたる見直し作業をほぼ終えて、もうすぐ版組に入るところまできました。今回は、その「あとがき」として書いた原稿をお届けします。これからの作業として校閲と2回のゲラのチェックがあり、出版は中央公論新社の中公選書の一冊として、3月末か、むしろ5月末になるでしょう。
「インテレクチュアル・ヒストリーをめぐる覚書――解題にかえて」
本書は Richard Whatmore, What is Intellectual History? (Cambridge: Polity Press, 2016) の全訳であり、書名の直訳は『インテレクチュアル・ヒストリーとは何か』となるだろう。著者リチャード・ワットモアはイギリスのケンブリッジ大学で政治思想史を学び、現在はスコットランドのセント・アンドルーズ大学の歴史学教授として、一八世紀のヨーロッパを中心とする近代史を教えている。
本書のほかに、『共和主義とフランス革命:ジャン=バティスト・セイの政治経済学のインテレクチュアル・ヒストリー』(二〇〇一年)や『戦争と帝国に抗して:一八世紀のジュネーヴ、イギリス、フランス』(二〇一二年)、『テロリスト、無政府主義者、共和主義者:革命時代のジュネーヴ人とアイルランド人』(二〇一九年)、『政治思想史:超入門』(二〇二二年)などの著書があり、いわゆる「ケンブリッジ学派」の重要な一翼をになう存在となっている 。
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