第582号
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岩上安身のIWJ特報!
急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?
日本はこれからどうなるのか?
岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー
(その1)
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・田代秀敏氏(IWJ撮影)
bit.ly/3gJp53F
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、米国はインフレを抑えるため
に金融引き締めに向かった。年頭に1ドル=115円台だった円相場は5月中旬以降
、米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げの影響を受けて円安が進行。9月
に入ると1ドル=140円台前半まで下落し、24年ぶりの安値となった。
9月14日、日銀は為替介入の準備のため、市場参加者に相場水準を尋ねる「レ
ートチェック」を実施。9月13日、14日の円相場は142円から144円の間で推移し
ており、3月上旬の1ドル=114円台から半年で30円下げたことになる。『日本経済
新聞』は年間ベースの下落率について、変動相場制に移行した1973年以降で最大
だと指摘した。
※日銀が「レートチェック」 為替介入の準備か(日本経済新聞、2022年9月14
日)
bit.ly/3ilxIlD
この急激な円安を受けて、2022年9月16日、岩上安身は東京都内のIWJ事務所で
、エコノミストの田代秀敏氏へ緊急インタビューを行った。
田代氏は、9月8日に発表された国内総生産統計の2次速報(2022年4月~6月)
について、国内総生産(GDP)と国内総所得(GDI)の値が開きすぎているのに、
大手メディアは政府発表の数値とグラフしか掲載していないと、以下のように指
摘した。
「新聞には、GDPの成長率の年率換算値が前期比(2022年1月から3月)で3.5パ
ーセント増えた、めでたしめでたし、コロナ前の水準を回復した、と。でも、日
本のメディアは政府が(プレスリリースに)発表してない数値は報道しないんで
す。
政府の統計には国内総所得(GDI)の数字もある。このGDIの成長率を、内閣府
が指定している年率換算公式を使って計算してみると、なんとマイナス0.003パ
ーセント(四捨五入して0.00パーセント)。3.5%増のGDPとGDIの数値の差が3ポ
イントも乖離するのは異常事態だが、(大手メディアは)誰もそれを指摘しない
。
(国民は)みんな頑張って働いて、コロナ前の水準を上回った。でも、それに
対する報酬は増えていない。その差の部分は外国に流出したと考えるのが妥当だ
。簡単に言うと、『働けど働けど暮らしは楽にならず』なんですね」
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