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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 153
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、日本の神宮前にも出展して話題の低価格アパレル「SHEIN」(シーイン)についてご紹介します。
SHEINの手法に、誰もが思いつかなかった新しい手法=破壊的イノベーションというものは存在しません。しかし、企画、製造、流通、販売、宣伝というあらゆるプロセスで、凄まじいほどの改善を行っています。つまり、持続的イノベーションの積み重ねなのです。
日本では、その国民性から破壊的イノベーションというのはあまり歓迎されないところがあります。そのため、穏やかな持続的イノベーションが好まれます。しかし、これはややもすると、局所的な改善に終わってしまいがちです。
しかし、SHEINはこの持続的イノベーションを凄まじい勢いで行っていき、アパレル流通のすべてのプロセスを変えてしまいました。
SHEINという企業も完璧ではなく、盗用問題などの課題は抱えています。しかし、生き延びるために持続的イノベーションを次々と実施し、広州市番禺区の下町工場地域を活用して、米国だけでなく、中東や欧州など150ヵ国で販売をしています。
「下町工場を活用して、持続的イノベーションで、世界に販売」というのは、日本企業がやるべきこと、できるはずだったことなのではないかと思います。そのビジネスモデルは日本企業が研究し、参考にすべき事例なのではないかと思います。
今回は、SHEINについてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 153
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▼目次▼
SHEINは、なぜ中国市場ではなく、米国市場で成功したのか。持続的イノベーションのお手本にすべき企業
小米物語その72
アリババ物語その72
今週の「中華IT最新事情」
Q&Aコーナー
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SHEINは、なぜ中国市場ではなく、米国市場で成功したのか
持続的イノベーションのお手本にすべき企業
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今回は、日本にも上陸して話題のブランドSHEINについてご紹介します。
早速、知財のパクリ問題、プロの目から見た場合の低品質問題などが話題となり、いかにも中国ブランドというイメージになりつつありますが、そのようなネガティブな部分が中国らしくもあれば、優れたポジティブな部分も中国らしい企業です。
SHEINのポイントは次の5つになります。
1)広州市番禺区の服飾生産地帯=下町工場を基地にしていること
2)AIアシストによる効率的なデザイン作業
3)小ロット生産から始める独特の発注システム
4)可処分所得の少ない女子大学生をターゲットにしたこと
5)KOCを活用し、消費体験を変えたこと
このうち、重要なのは3の小ロット生産と5のKOCの活用です。
SHEIN(希音、シーイン)の創業は2011年と古く、本格的な成長が始まるのは2017年からです。意外と雌伏の期間が長くあります。1から4のポイントは、この雌伏期間に試行錯誤をしながら獲得していったもので、イノベーションというより徹底した改善に近いものです。あるいは持続的イノベーションと言ってもいいかもしれません。既存の枠組みをどう改良すれば、より優れた結果が導けるか。SHEINはここに関しては徹底をしています。
これにより、SHEINが常にライバルとして目標にしていたZARA(ザラ)が企画から製造、出荷までが30日から60日というアパレル業界では脅威のスピードを誇っていましたが、SEHINはわずか2週間ほどで可能にしてしまいました。小さな改善を積み重ねて整理をしていくと、別次元の効果を生むということの好例になっています。
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