ゼロコロナの矛楯露呈
農村では注射針を嫌う
見栄と面子が充満する
IMFが危惧する中国
習近平氏は、10月に開催された第20回中国共産党大会で、ゼロコロナを「正しい」政策と位置づけ、習氏の政治的実績の一つとして報告した。それから、およそ一ヶ月後に北京や上海など全土で、自然発生的に「ゼロコロナ反抗」運動が起こった。習氏が、政権を握って以来10年間で初めてである。
厳しい監視体制を敷いている中での抗議行動である。街頭に繰り出し気勢を上げた学生たちは、組織化されておらず、一人の中心人物に率いられているわけでもなかった。これまで3年間にわたるロックダウン(都市封鎖)への怒りをぶちまけたものである。ただ、シュプレヒコールの中には「習近平辞めろ」とか「共産党は要らない」のほかに、「3年間も仕事がない」など切実なものもあった。国民の不満が、溜まっていたのである。
ゼロコロナの矛楯露呈
習氏は国家主席3期目に入って、習氏の権力が一層高まった形である。だが、その権力基盤が今回の抗議行動で露わになったように、もろい側面を抱えていることを見せつけた。習氏は、最高指導部メンバー全員を取り巻き連中で固めたが、習氏の耳に痛いことを言う人物のいない弱点をもろに見せつけたのだ。大半の国民が、いかにゼロコロナ政策に苦しんでいるか。習氏は、その実態を掴めなかったのである。政治家として、最大の失敗である。
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