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第237回 羆の夢

田村キョウコの「微熱の世界」
目次 1.微熱の毎日 2.本日の旅土産・食卓 3.おしらせ ・・・・・・・・・・・・ 1.微熱の毎日 このコーナーでは時に熱を持って、時には平熱でコラム、日記、雑文等々お届けします。 ************************ 羆の夢 ************************ 広い敷地に 低層ではあるが横に長い、 校舎のような研究所のような白い建物が いくつも並んで建っている。 敷地の外は森。 高いフェンス越しに 針葉樹らしき木々が見える。 天気は薄曇り。 暑くもなく寒くもない。 ここはどこだろう。 私達は一体ここへ 何をしに来たのだろう。 駐車場や芝生を通り抜け、 ある建物の外階段を みんなより一足早く上り始める。 いつもそうだ。 私はせっかちだから いつもみんなより一足先を歩く。 だからといって 輪に加わらないつもりではないんだ。 ちゃんとみんなの話を聞いていて へえ、とか笑えるとか なにそれ、とか 思っているし、 リアクションもしているのだ。 前を向いているから 誰も気づいていないとしても。 近づいてみれば この建物は年季が入っていて コンクリートのひび割れや 手すりの錆が目につく。 2階への入口と思しきドアの前まで来たところで みんなを振り返る。

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  • 田村キョウコの「微熱の世界」
  • 孤高のアコースティックユニット、サンタラのVocal田村キョウコがお届けする微熱の世界。 歌には入りきらなかった日常の欠片を綴ります。 SNSでは到底味わえないメルマガならではの濃さをお楽しみください。
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