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ビジ選☆リーダーズ Vol.977『「本当の頭のよさ」を磨く脳の使い方』(茂木健一郎)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■情緒に流されない力と地図を読み換える力 物事は正しく判断するべきだ。直感としては正しい、感覚的には間 違っていると思える、だが根拠はないからとりあえず反対意見を言 う、相手を攻める、叩く、批判するという人が増えている。 本当の頭のよさがあれば、誰かの言葉を鵜呑みにすることなく、な んとなく雰囲気に流されるのでもなく、自分の考えに基づいて「こ れは正しい」「これは間違っている」などの判断ができるはずだ。 それは単に論理的ということではない。いわば直感に従いながら、 論理的でもある、直感と論理の両面から正しい答えを導き出せる ということだ。 ★ 「本当に頭がいい人」が持っている力は4つある。すなわち「情緒 に流されない力」「地図を読み換える力」「アニマルスピリッツ」 「妄想する力」の4つの力だ。 1つ目の力「情緒に流されない力」を鍛えることは、正解のない社 会で生きていく強い力だ。情緒に流されない、つまりロジックの 力、論理的思考力だ。 論理的思考力に関わるのは脳の前頭前野だ。これは活力やコミュニ ケーション力に関わる部位だ。鍛えるには「笑う」「叱られる」 「会話する」などの刺激が必要だ。想像するだけでも訓練になる。 論理的思考力が高い人、すなわち前頭前野が発達している人は、情 緒に流されず「自分が欲しいもの」でなく「相手が望むこと」を見 抜き、相手の望みに沿って振る舞える。主語を相手に置けるのだ。 この能力は、日々の習慣で身につけるしかない。「私がしたいこと は」と考えている自分に気づいたら「いやいや相手が望むことはな んだろう」と機械的に、主語を「私」から「相手」に切り替える。 ★ 2つ目の力は「地図を読み換える力」だ。ここで必要になるツール が「コンパス」だ。「地図よりコンパスが大事」なのだ。これは 「仮説力」と言い換えることができる。 不確実な現代社会を生き抜くには仮説の精度が問われる。緻密な仮 説を立てれば、それが荒海をゆくコンパスになる。結果として地図 を書き換えることもできる。 精度の高いコンパス、すなわち緻密な仮説を立て、地図を書き換え るには情報が必要だ。ただ、それだけでは仮説は立てられない。情 報を組み立てて仮説を立てるには、抽象化する能力が必要だ。 何かを分析することになり、データを集めたものの「分析」を間違 えたということがある。理由を掘り下げていくと、データを抽象化 する力が足りなかったという場合が多いのだ。 仮説の精度を高めるには、情報をたくさん手に入れることに加え て、抽象化の能力を鍛えることが重要だ。そして、抽象化のトレー ニングには、目で見て選ぶという訓練が有効だ。 ★ 仮説を立てるには「帰納法」と「演繹法」がある。帰納法とは、た くさんの事象から共通点を導き出す思考法だ。一方、演繹法は足し 合わせる、関連づけるなどで仮説を立てる方法だ。 帰納法と演繹法、どちらで仮説を立てるにしても、仮説の精度を高 めるには、まず情報をたくさん集めて、その中から取捨選択をする というステップは変わらない。 情報量を増やしたり、情報を選んだりするためのトレーニングとし て、最も手間いらずで、道具も不要で、効果が高いのは「ストーリ ーを作ってみる」ことだ。 また、仮説を立てるには、トライ&エラーも必要だ。そして、仮説 を立てた後は、実行力と検証力が大切だ。知識をベースに現実に近 い想像を巡らせるのだ。 失敗しない範囲で実行したり、失敗しても失敗ではなかったことに してしまう無修正主義ではだめだ。失敗こそしなくても、チャレン ジしたり、失敗を乗り越えて前に進む気概も生まれないのだ。

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