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【Vol.460】冷泉彰彦のプリンストン通信『アメリカ2大政党の変化を考える』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「アメリカがサッカーが苦手な理由」 スポーツと経済の超大国であるアメリカで、どうしてサッカーが「イ マイチ」なのでしょうか?答えは簡単で「4大スポーツの牙城を崩せていな い」からということに尽きると思います。  人材が集まらない、資金がイマイチ、MLSは成功しているが観客も選手も 中南米と欧州に縁のある人ばかりという状況は、基本的には2002年とあま り変わっていません。  実は、4大スポーツの存在感というのは、人材を取られるとか、資金が来な い、視聴率が取れないという数字的なものだけではありません。恐らく、一番 深刻なのは、4大スポーツの影響で、「サッカーの面白さが理解されていな い」ということだと思います。日本では信じられないかもしれないのですが、 アメリカでは次のような声があります。 「90分走り回って1点とか2点というようなショボいスポーツは大嫌い」 (バスケファンに多い声ですが、単に混同しているだけです) 「オフサイドが興ざめだ」(これもバスケの影響です。バスケは3秒ルール、 8秒ルール、24秒ルールなどがあって、別の規制があるのですが、とにかく 混同しているだけです) 「センターキックを後ろに蹴るのがダサい。思い切り前に蹴り込むべきだ」 (アイスホッケー好きの偏見でしょうか) 「MFがシュート打つのは、FWを信じないで役割を奪うようでイヤ」(軍隊 組織と間違えているのでしょうか。勿論、アメフ文化の悪影響でしょう) 「監督の指示が見えない、90分カオスの中でひたすら全員がランダムに動い ているようだ」(これもアメフの悪影響でしょう) 「DFまで上がって総攻撃とか怖すぎる」(だからオフサイドがあるんですっ てば) 「FWまで戻って守備とかワケワカラン」(アメリカの選手は運動量はバッチ リのはず、文句言うな)  昔、子どものサッカーのコーチが、とにかく全員がボールを追いかけるだけ のサッカーをさせているので「サッカーでは、スペースを作り、スペースに駆 け込むのが基礎でしょ」、みたいなことを言ったら「全く理解されない」よう なことがありましたが、とにかく、4大スポーツの悪影響で、全くサッカーの 面白さが理解されていないのです。  アメリカの場合は、ここに最大の問題があるように思います。更に突き詰め ていくと、アメリカには個人主義があり、「他人の領分は侵してはならない」 とか、「他人とはパーソナルスペースを取るべき」あるいは「主体的に指揮命 令に従うのが立派」などという軍国主義的な思想があります。そうした態度 が、サッカーに向いていないということもあるでしょう。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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