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日刊 大石英司の代替空港

日刊 大石英司の代替空港
日刊 大石英司の代替空港 ▲▽実態なき防衛費増▽▲ ※ 岸田首相、防衛力強化とは「端的に言えば戦闘機やミサイルの購入」 https://news.yahoo.co.jp/articles/9adbbca32734f5ccabd17e2e28ea16b2538deaa3 *防衛力整備計画について https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/plan/pdf/plan.pdf  冷戦崩壊後はもとより、恐らく自衛隊創設以降、最も重要で重大な防衛政策の 転換点、メルクマール、マイルストーンと言って良いでしょう。  ただし、ディテールを見ると、実はたいしたことは言っていない。政治関係の 文書はそれなりに踏み込んでいる。明らかにこれは、日本が極東、とりわけ台湾 有事に関して、一定の責任を負う、主体的に行動するという意志表示でもある。  もちろん、本来なら国会でそれなりに議論し、選挙で有権者に信を問うべき問 題であるべきことは言うまでも無い。  しかし一方で、装備関係で、「防衛力装備計画について」というPDFを読むと、 実はたいしたことはない事実が浮かび上がって来る。敢えて言えば、何も変わら ない。ここに、日本の自衛力が画期的に向上するだろう装備計画は書かれていな いし、ましてや、米帝に日本の税金が吸い取られるという事実も何らない。  岸田さんは、「防衛力強化とは『端的に言えば戦闘機やミサイルの購入』」と か開けっぴろげに言ってしまったけれど、これは、明らかに誤解を招く発言です。 そういう事実は何処にも無い!w。  まず、ウ国戦争前の整備計画と比較した時に、戦闘機を余計に買うということ が何処かに書いてありますか? そんなことは一行も書いてないじゃんw。この ウ国戦争を受けての3文書の中では、戦闘機部隊を一個飛行隊増やしましょうか、 なんてことは一言も書いてない。せいぜい、イーグルのアプデを本腰を入れてや りますと表明しただけ。米空軍が、もう古いから退役させると明言しているゴー ルデン・イーグルのレベルに近づける戦闘機のアプデを、今更急ぎます、という 程度のことです。この文書の何処にも、F-35を増勢しますとか、EX買いますとか 書いてないでしょう?  空自案件としては、C-2輸送機が、計画当初の量産機数にほぼ戻ったという程度です。  次に陸自。すでに死に体だったとは言え、OH&AH部隊の廃止の明言。これはい つも書いているように、陸幕にとって航空事業部のことなんてどうでも良いから、 誰も守ってくれなかったということです。陸自は挙げ句に定員を海空に分捕られる。  定員と言えば、予算が倍増されるというのに、「定員増はしない」と明確に書 かれているでしょう。ここもポイントです。  次、海自。読売のスクープで唯一外れたのが、P-1哨戒機の削減です。海自航 空集団は見事に巻き返しましたね。当初計画より10機くらい減るけれど、これは もうその70機という数字が出た頃から織り込みのずみの話であって、航空集団に してみれば、60機前後の量産計画維持というのは、満額回答と言っても過言では 無い。圧勝です。この件は財務省の完敗!  ただ、現実に役に立たないものを配備し続けて、艦艇事業部はそれで良いんで すか? 哨戒機が潜水艦を探知できないという状況は、護衛艦が攻撃を受けて、 乗組員が何十人も戦死するということですよ? 艦艇乗りはそれで良いの?  私は、P-1はもう廃止して、さっさとP-8に乗り換えるべきだと強く主張します。 そして、れいの、宙に浮いたままのヘリ空母用大型ヘリ計画はどうなっているのよ?

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