【母危篤】
「では、沖縄支部結成祝いだ、カンパーイ」
沖縄の仲間と飲んでいるうちに、沖縄支部を作ろうという話で盛り上がっていた。
「じゃ、支部長は金城さんね、あと副支部長として、宇栄原がいいんじゃない?」
「えっ?おれが支部長なの?」
「当たり前じゃないですか、金城さんがいなかったらこのメンバーはここにいないですよ」
確かにそこにいるのは、みつおとは直接の繋がりはないが、みつおの同級生の宇栄原が集めた仲間だった。
しかし、支部長という柄では無い。
「俺が支部長で宇栄原が副支部長なら、もう一人加えて、ダチョウ倶楽部みたいにコントやろう、やー!」
あまり乗り気じゃないので話が大きくならないように、冗談を言ってうわむやにしようと思っていた。
しかし見事に外して、その場がシラけてしまった。
みつおにとっては好都合だった。
このムードで支部長の話も無くなってしまったらいいなと思っていた。
すると、誰かが大学時代の話を始めた。
「そう言えば、コイツら二人の芸は面白かったな、学園祭の舞台であれをやるとは思わなかったよ」
「へー、どんな芸をしたの?」
「こういちが、短パンで舞台い立って、踊りながら足のすね毛でハエを作っていくんだよ」
こういちはかなりの毛むくじゃらだった。
たまに蚊が忍び込んですね毛のジャングルから抜けられなくなってしまうというウソのような本当の話があった。
その毛むくじゃらのすねを手のひらで抑えてグルグル回していると、毛が固まってハエのようになるのである。
それを何個も作ったところで、もう一人の相棒が踊りながら現れて、ジッポライターのオイルをすね毛に垂らして、ライターで火をつけると、ボーッとすね毛だけが燃えて、脱毛したようになるという芸だった。
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