メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

第50回 2023年、日本がアジアの「困ったちゃん」にならないためにすべきこと

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 日本人が中国の話題に触れるとき、よく使うフレーズがある。 「とはいえ日本は、中国とは経済の面で切っても切れない関係だ」  当然、この前には中国と付き合いたくない多種多様の理由が並ぶ。「経済の関係さえなければ……」という意味にも聞こえる。  関係を切るとか切らないとか、そうした発想そのものが子どもっぽく、外交には相応しくない。また、対立を前に、すぐに「どちらが正しいのか」という判断をしようとすることも、日本の悪しき傾向だ。  居酒屋で酔っ払いがする議論ならばよいのかもしれないが、国と国との関係では国益を基準にする以外のことは避けるべきだ。  世界のほとんどの国は、自らを取り巻くさまざまな要素を組み合わせ、計算した上で、まず自国の利益を取りに動く。つまり、「とはいえ……」ではなく、経済関係が太いのであれば、徹頭徹尾それが判断のど真ん中に置かれるのが普通だ。  世界と日本のズレを意識させられる、アプローチの違いだ。  ちょうど年末でもあり、今年一年を締めくくる意味でも、今号では外国と向き合う日本の特殊性に焦点を当ててみたい。  実は、日本人と中国人を比較しようとしたとき、この視点から見ると、違いはより鮮明となる。  例えば、先日会った中国人のA氏の、こんな質問だ。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 富坂聰の「目からうろこの中国解説」
  • 中国報道で日常的に使われる言葉や表現、これを詳しく分析すると、これまで知っていた事実とは違う世界が見えてくる。ニュースのミスリードから脱する処方箋を書く。
  • 990円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)