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中国、コロナ感染“爆発” 景気急減速に慌て「経済優先」の招いた惨事

勝又壽良の経済時評
  • 2022/12/26
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アップル「脱中国戦略」 準備ゼロでウイズコロナ 先ずは戦狼外交の修正へ 中国は現在、ゼロコロナの規制緩和に伴う感染者激増で大混乱に陥っている。中国国家衛生健康委員会は12月25日、毎日の感染者数と死者数の発表業務を下部組織の中国疾病予防コントロールセンターに移管した。同センターは、全国で24日に確認した新規感染者数が、わずか2940人と実態を完全に隠す発表に変更した。実態はますます掴めなくなってきた。 中国の感染者数は、12月だけで2億4000万人に達し、1日当たりの死者数は5000人を超えたとの指摘も出るほどの惨状を呈している。まさに、「スペイン風邪」(1918~20年)が、中国にそっくりそのまま再現し格好だ。欧米はすでに、今回の新型コロナウイルスで苦杯をなめさせられてきた。この間、中国は厳格なロックダウンで抑制し、表面的に感染を封じ込めた形になっていた。中国指導部は、これを誤解して「完治」したと大きな誤診をしたに違いない。疫学専門家の意見を無視したのだ。 中国の実態は、効果の劣る中国製ワクチン接種と低い接種率が災いし、いつでも飛び火する危険な「コロナ空白地帯」をつくっただけに終わっていた。中国では、免疫学的な認識に乏しく、欧米の「ウイズコロナ」へ至る経験を全く生かさなかった。それにも関わらず、ゼロコロナからウイズコロナへ一足飛びに切り変えた結果、免疫度の低い「コロナ空白地帯」がウイルスに急襲されたのだ。これでは、コロナ犠牲者が急増して当然であろう。 習近平国家主席は、10月中旬の共産党大会を平穏なうちに終わらせるべく、ゼロコロナ政策を継続してきた。だが、共産党大会終了直後に、ゼロコロナの規制緩和が議論されていたことが判明している。不思議なのは、免疫学的な検討を全て省略し、一挙にゼロコロナへ切り変えた中国指導部の無知と無責任さだ。こういう無謀なことを決定した裏に、経済的窮迫があることは間違いない。 中国の新最高指導部は、全て習氏の息のかかったイエスマンの集団である。習氏の意志が、そのまま最高指導部の意思になるという脆弱な構造だ。新最高指導部内には、習氏の意思に逆らえる人間がいな結果だ。これは、今後の国運を左右する重大決定においても、同様な脆弱性を見せるであろう。これが、危惧させられる大きな点である。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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