厚労省の「賃金構造基本統計調査」によると、歯科医師の平均年収の推移は、2005年から2020年の16年間で、最高が2005年の904万円、 最低が2006年の549万円 と大きな差があります(16年間の中央値では736万円)。
バラツキが大きすぎるのですが、有名なのは、日本歯科医師会が発行した「歯科医療白書」の2013年版です。
これによれば、開業歯科医師の20%が年収300万円以下で、同じく20%が年収3000万円以上となっていたのです。大きな格差が見て取れます。
ここから、 「歯科医師の5人に1人が、年収300万円以下」 という衝撃の実態が語られるようになったのです。
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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる
第26回
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みなさま、こんにちは!
「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。
今回のテーマは、「歯科医師業界の闇」についてえぐっていきます。
皆様のご近所の馴染みの歯科医院が、ある日突然、理由も明示されないまま閉鎖されてしまい、「あれれ、この歯医者さん、どうなっているの?」などと首を傾げた経験をおもちの方は少なくないのではないでしょうか。
ふつうの一般的な医院では、あまり見かけない光景ですが、「コンビニよりも数が多い」と揶揄される歯科医院では、近年こうした事態がポツポツ起きています。
過当競争のなれの果て――なのですが、今回は、こうした歯科医師業界のただならぬ状況について、見ておこうと思います。
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厚労省の悪政が育んだ歯科医師業界の闇! 初診でレントゲンを撮りたがる歯科医師たちの哀れな惨状!
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1960年代から80年代までの歯科医は儲かり、「歯科医・産婦人科医・パチンコ屋」は脱税御三家と称されました。
健康保険適用除外の診療技法が多く、虫歯に悩む子供も多かったからです。
しかし、90年代に入ると、保険診療の幅が広げられ、健保適用外の高額な自由診療が望めなくなっていきます。
そのうえ、厚労省は歯科医不足と見立て、歯科大の新設や定員増を図ったので歯科医は激増していくのです。
厚生労働省が2022年3月に公表したデータによると、2020年12月末時点で、一般の医師数は33万9623人でした(2018年の前回調査より1万2413人増で3・8%アップ)。
それに対して、歯科医師数は10万7443人でした(2018年の前回調査より2535人増で2・4%アップ)。2002年に9・2万人だった歯科医師数が、18年間で、1・16倍に増えた勘定です。
ちなみに女性の割合は、一般の医師22・8%、歯科医師25%と、いずれも上昇してきています。
こうした医師たちが従事している施設・業務の種別をみると、「医療施設の従事者」は32万3700人で、全体の95.3%と大多数を占めています。
もっとも、一般の医師には数多くの診療科目がありますが、歯科医師の診療はほぼ単独科目でこの数字です(実際は4科目で一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科)。
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次回は、 「学歴と資産形成の不思議な関係! 高学歴パラドクスに陥ると老後の貧困地獄が待っている!」 というテーマでお届けしたいと思います。
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