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『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』
2022年12月29日 特別増刊号
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まぐまぐ編集部です。いつもご購読ありがとうございます。
本日は年末の「特別増刊号」として特別に書き下ろしていただいた内容をお届けします。前半部分は、まぐまぐ公式メルマガ(まぐまぐニュース)にも掲載されていますが、以下はその続きを含む全文となります。有料メルマガ購読者様限定ですので、ぜひご覧ください。
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●政治家や官僚にダマされるな! 元国税調査官が伝授する、日本のバカバカしい「大増税」に振り回されず生き抜く方法
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◆「増税?ふざけるな」という話
政府は昨今、防衛費増額のための増税を推進しています。法人税、所得税、たばこ税を軸とする増税を段階的に実施する方針を決めました。
また防衛費増税だけではなく、インボイス制度の導入で零細事業者への消費税実質増税が、2023年から実施されることになっており、さらに相続税の増税や消費税率の引き上げも検討されています。
日本は低賃金に苦しんでおり、先進国でこの20年間賃金が下がっているのは日本くらいのものです。しかもウクライナ戦争後のインフレで国民生活は二重にも三重にもダメージを受けています。
この時期の増税を我々はどう受け止めるべきでしょうか?
筆者は元国税調査官なのですが、その立場から言えば、現在、日本で税金を払うことは、非常にバカバカしいことです。
「日本人は、政治家や官僚のことを信じすぎている」といえます。
日本のメディアや世論でも、政治家や官僚のことをあれこれ叩くこともあります。政官と大企業や業界との癒着、贈収賄、不正な金稼ぎ、その他もろもろのスキャンダルは、いつもマスコミやネットで話題になっています。
が、日本人の多くはこう思っているはずです。
「なんやかんや言っても、基本は国民のためにちゃんとやってくれているはず」と。
しかし日本の政治や官庁というのは、国民の想像をはるかに超えてダメダメなのです。
日本の中間層以下ではこの2〜30年の間、消費税の増税、社会保険料の段階的な引き上げ、介護保険の創設などで、税や社会保険料の負担は激増しています。
その一方で、高額所得者や富裕層の税金は、この30年で20%以上も下げられているのです。
しかも税金は徴収の仕方だけではなく、使い方においても酷いものです。税金の大半が、「税金ビジネス」による「汚い利権」によって浪費されているのです。
わかりやすい例を挙げましょう。日本は、80年代から現在まで、世界一の公共事業大国です。先進国平均の2倍以上、現在でも先進国で最大レベルの公共事業費を支出しています。
にもかかわらず、日本の社会インフラはボロボロなのです。首都圏の道路の整備状況、大河川の防災整備、下水道の普及状況、電柱の地中化など、生活の基盤となるインフラが、途上国並みなのです。
その結果、自然災害による死者数(人口比)が常時、世界のトップ10の中に入っているのです。アフリカの過酷な自然環境や、アジアの劣悪な環境で暮らしている地域よりも、災害死者数が多いのです。しかし、日本の国民のほとんどは、このような状況に対して文句も言わずに高い高い税金を払い続けています。
これが欧米であれば、絶対こうはいきません。たとえば、フランスでは、2019年に軽油税1リットルあたり10円程度の増税が決定しましたが、それに不満を持つ国民が全土で暴動をおこし、結局、この増税は撤回されました。日本では、まず考えられないことです。日本でも反対意見は出るでしょうが、暴動にまで発展することはあり得ないでしょう。
◆税金は取りやすいところから取れ
日本の税制では建前上は、「税金はすべての国民に公平に課税する」となっています。しかし、それはまったくの嘘です。税金は声が大きいものが少なくて済み、小さいものがたくさん取られるようになっているのです。
税務の世界では昔から「税金は取りやすいところから取れ」という鉄則があります。
税金はあまり文句が出ないところから取れ、ということです。
「文句が出ないように取る」ということは、公平に取るという意味ではありません。文句を言わないものからたくさんとって、文句を言うものからはあまり取らないということなのです。
たとえば、開業医というのは税金がとても優遇されています。なぜそうなっているかというと、彼らは――
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