永田町異聞メルマガ版
「国家権力&メディア一刀両断」 2022.12.29
新 恭(あらた きょう)
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既得権の巣窟「原子力ムラ」を存続させるだけの原発政策大転換
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岸田首相はなんという愚かな選択をしたのだろう。あわや国を滅ぼしそうにな
った福島第一原発事故の体験を後世に生かすどころか、老朽原発の運転期間を
延長し、次世代革新炉と称する原発を新設しようというのである。
またぞろ新たな“神話”を作り出し、未来に向けてのエネルギー開発を阻害し
ている最大の既得権サークル「原子力村」を存続させるつもりのようだ。
電力会社、原子炉メーカー、ゼネコン、それらをめぐるあまたの取引企業が旧
来の儲かる仕組みにしがみつく。国民からの電気料金を源泉とする豊富な資金
は、広告料、研究開発費、政治資金としてマスコミ、学者、政治家に流れ、世
論を誘導する。その結果、多くの国民が原発なしには電気が不足すると信じ込
まされる。崩れかかっていたその岩盤を、カーボンニュートラルの大義名分の
もと、再び強化しようとしているのだ。
岸田首相を議長とする「GX(グリーントランスフォーメーション)実行委員
会」は、化石燃料中心の経済、社会構造をクリーンエネルギーに移行させるの
が目的だが、このほどまとめた基本方針案のうち、「原子力の活用」は、欺瞞
に満ちた内容となった。
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