第583号
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岩上安身のIWJ特報!
急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?
日本はこれからどうなるのか?
岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー
(その2)
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(その1)のつづき
・エコノミスト田代秀敏氏(IWJ撮影)
https://bit.ly/3VmVBa1
ロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響は、世界中のさまざまな局面で予
想外の変動をもたらし、それがまた別の局面へと玉突きのように連鎖が続く。
米国はインフレを抑えるために金融引き締めに舵を切り、2022年始めに1ドル
=115円台だった円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げの影響
を受けて円安が進行した。9月には1ドル=140円台前半まで下落。日本の社会に
は衝撃が走った。
この急激な円安を受けて、岩上安身は2022年9月16日、東京都内のIWJ事務所で
エコノミストの田代秀敏氏への緊急インタビューを実施した。(その1)に引き
続きお送りする。
田代氏は、日本のGDP(国内総生産)成長率が年率3.5パーセントに上方修正と
報じられながら、GDI(国民総所得)が0パーセント(厳密にはマイナス0.03パー
セント)であることを報じないのは「大本営発表だ」と批判した。
円安に関しては、これまでは「円安になると株価が反発して値上がりする」と
いう公式があったが、今回はそれが効かず、日経平均株価は下がっている。
その理由を岩上安身が尋ねると、田代氏は、「今の日本の金融市場では、株式
も国債も最大取引主体は外国の金融機関。彼らは株価をドル換算する。円安が進
めば、ドル換算の株価は安くなるが、『死に体』だと思われている日本の株を買
いに来ない」と話した。
日経平均などが下がる「株安」、円が売られる「円安」、債券が売られて金
利が上がる「債券安」の3つが同時に起きる「トリプル安」を警戒すべき事態だ
が、政治家たちは静観の姿勢。田代氏は「彼らは気付いていないのかもしれない
」と言う。
責任者である財務省の神田真人財務官は9月8日、最近の円安進行について「明
らかに過度な変動」と危機感を表明しているが、翌9日の岸田総理の発言は、「
急激な変化は好ましくない」とマイルドな表現に終始している。
しかし、「24年ぶりの安値」と言われている円の価値は、実際には24年前と同
じではない。日本やアメリカの物価変動を考慮しなくてはならず、現在の主な貿
易相手国である中国の人民元と円との為替レートも含めて考える必要がある。
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