第584号
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岩上安身のIWJ特報!
急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?
日本はこれからどうなるのか?
岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー
(その3)
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(その2)のつづき
・エコノミスト 田代秀敏氏(IWJ撮影)
https://bit.ly/3PWdDPf
急激な円安を受けて、岩上安身がエコノミストの田代秀敏氏に、2022年9月16
日に行った緊急インタビューの続きである。
田代氏は、低金利の円を借り、高金利のドルを買う動きは、資本主義では止め
ようがないという。ただし、米国債の金利が、長期より短期が高い「長短逆転」
に注目。目先の利益を追い、設備投資や研究開発がおろそかになったため、5Gで
米国が中国に遅れを取ったと指摘した。
対ドル為替レートの単純比較で「20数年ぶりの円安」と報じられることを、田
代氏は「意味がない」と断じた。物価水準の変動や貿易相手国が米国から中国等
にシフトした影響を勘案した「実質実効為替レート」のグラフを示し、今の円の
実力は20数年どころか、半世紀前の「1ドル360円時代」まで戻ってしまったとい
う、驚くべき事実を突きつけたのである。
しかし円安を抑えるため、金利を上げようにも、日本はそれが困難だ。田代氏
は、国と地方自治体に膨大な債務があるため、金利を1%ポイント上げると「債
務の利払いが、12兆4400億円増える」と指摘。こうした問題はアベノミクスの始
めからわかっていたことだが、もはや引き返せる道は通り過ぎてしまったかもし
れないというのだ。
そして、円安とウクライナ紛争の対露制裁等が引き起こす、仕入れ値の急上昇
を中小企業が吸収できず、大倒産時代がやって来る怖れが語られるのである。
(記事目次)
◆短期金利が高くなった米国債。目先の利益を追いかけ、設備投資や研究開発投
資など長期的な視点が欠ける懸念も!
◆「20数年ぶりの円安」どころか今の円の実力は「1ドル360円時代」。海外旅行
がニュースになった半世紀前に戻ってしまった!
◆インフレと円安で「行きはよいよい、帰りは怖い」。これはアベノミクス初期
にわかっていたこと。引き返す道は通り過ぎた?
◆物価高で仕入れ値も高騰! 商品に価格転嫁できなければ、売れてる店でも突
然閉店。大倒産時代がやって来る!?
(本文)
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◆短期金利が高くなった米国債。目先の利益を追いかけ、設備投資や研究開発投
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