第585号
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岩上安身のIWJ特報!
急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?
日本はこれからどうなるのか?
岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー
(その4)
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(その3)のつづき
・エコノミスト 田代秀敏氏(IWJ撮影)
https://bit.ly/3I3pSHR
急激な円安を受けて、岩上安身がエコノミストの田代秀敏氏に、2022年9月16
日に行った緊急インタビューの続きである。
企業物価指数が高騰し、日本企業は危機を迎えている。田代氏は、日本が稼ぐ
ためには、「中国は生産基地」という古い頭を切り替えて、最高に付加価値の高
いものを、最大貿易相手国の中国に「売る」ようにしなければならないと指摘し
た。
田代氏は、日本の年ごとの実質国内総生産(GDP)成長率と、消費者物価指数
(CPI)上昇率(インフレ率)を組み合わせた分布図を示した。そこに、経済成
長率はマイナスで、インフレ率はプラスという恐るべき「スタグフレーション」
の年が、戦後2回だけあった。第一次石油危機翌年の1974年と、世界金融危機の2
008年である。そして今や、「岸田スタグフレーション」に突入しかねないと警
告を鳴らした。
岩上安身は、危機を脱するために「(いたずらに中露に敵対する)アメリカの
軛から離れて、安い資源を輸入すべき」と提案した。
岩上安身が、「円貯金を、真剣に外貨に変えたい」という相談をぶつけると、
田代氏は、今やネット銀行で簡単に開設できると回答。そして、OECD作成の「実
質GDP長期予測」(購買力平価)を示した。2021年の時点で世界トップ5は、1位
中国、2位米国、3位インド、4位日本、5位ドイツとなっている。日本は中国だけ
ではなく、すでに現時点でインドにも抜かれているのである。
1995年には、1位米国、2位日本、3位中国、4位ドイツ、5位インドであった。2
000年に中国が日本を抜いて2位となり、日本は3位に転落した。2011年にはイン
ドが日本を抜いて3位となり、日本は4位に転落したのである。
※世界の購買力平価GDP(USドル)ランキング(世界経済のネタ帳、2022年10月12
日)
https://bit.ly/3jEoUaO
そして今後、2030年頃にはインドネシアが日本を抜き、2040年代にはインドも米
国を抜くという。日本は、1990年代とほとんど変わらない低い水準のままである
。
そこで田代氏が「極めて大事な話」として訴えたのが、「日本円は最強」とい
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