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はじめに
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また大臣が更迭された。
相次ぐ大臣の更迭の背景には、まさに岸田首相の”任命責任”の問題が横たわる。所詮は皆、岸田首相の派閥の所属や盟友による入閣で政権に入った者であり、結局は身内びいきの「お友達」内閣にすぎないこと。
しかしながら、甚だしいのはNHKのニュースをはじめ、「事実上の更迭」さらには「交代」という言葉を使うこと。そのような言葉は、昔は用いられなかった。
ことばに敏感なはずの”マスコミ”がしかし、日本語をゆがめていく。
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映画「すずめの戸締り」にみる日本社会の戸締り ”誰が開きっぱなし”の扉を閉めるのか?
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「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督の最新作「すずめの戸締り」が11月11日より公開されている。
公開から1カ月間で興行収入が約93億4400万円を記録(1)、観客動員数は約693万9000人を超え、新海監督の「君の名は。」(2016年)、「天気の子」(2019年)に続き、100億円超えも視野に。
本作はずばり”東日本大震災”がテーマ。それとともに、宗教的・神話的・民族的なモチーフが随所に織り込まれている。
一方で、個人的には、本作は震災が起きた2011年以降も、世界が変わっても、時代が変わっても変わらぬ日本社会のシステムのあり様を映し出しているようだ。
そのことは、経済成長の推移に現れている。たとえば日本”だけ”が名目GDPを増やせずにいる(2)。
問題の根本原因は日本の政治システムの”劣化”にある。本作「すずめの戸締り」でも”日本社会の劣化”を思わせるシーンが随所にちりばめられている。
各地でそのままにされている”廃墟”、”災害慣れ”している日本人、”開きっぱなし”で戸締りがなされていない一方通行の政治システムだ。
目次
・廃墟すら撤去できない日本
・ 災害慣れしている日本人
・ 開きっぱなしの政治
・廃墟すら撤去できない日本
本作の第一のモチーフが廃墟だ。温泉街、テーマパークなど、日本各地の廃墟が出てくる。現実として、このような廃墟は日本各地に存在。
たとえば、滋賀県野洲市には、築47年の鉄骨の3階建てのボロボロのマンションがある(3)。
外壁が崩れ、部屋がむき出しの状態に。マンションの所有者は9人。このうち8人が撤去を望んでいるようだか、基本的に撤去は自らの責任で行うもの。
それでも撤去できない場合、「行政代執行」により解体に踏み切るが、そこにも大きな壁が。解体費用が3000万円~4000万円かかる見込みだ(4)。
栃木県の鬼怒川温泉にも廃墟がある。廃墟が位置する日光市によると、いくつかの廃業したホテルは周囲に危険を及ぼす可能性もあるが、それでも市が解体に踏み切るのは困難だとも。
行政代執行をしても2億円かかる見通し(5)。
ただ、たとえばショッピングモールはアメリカではすでに「時代遅れ」の存在になっている。アメリカではショッピングモールがここ数十年で何百件も廃業に追い込まれ、さらに今後15%も消えるとの予測も(6)。
アメリカではその跡地が、大学のキャンパス、さらにはGoogleのオフィスとして、教会として再利用されている。日本では同じ背策ができるだろうか?
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