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韓国半導体に「危険信号」、財政難で優遇措置受けられず「孤高の一本杉」

勝又壽良の経済時評
  • 2022/12/29
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半導体は国家支援対象へ 韓国は財政難に阻まれる 台湾と水が開き日本急迫 韓国半導体は、静かに危険ゾーンへ向かっている。韓国半導体の市場シェアは、世界2位であるものの総合競争力が世界5位で不安定であるからだ。韓国産業研究院(KIET)が、ランキングを付したものである。総合競争力1位以下は、次の順序になっている。米国、台湾、日本、中国、韓国、EU(欧州連合)だ。 韓国半導体産業は、端的に言えば「加工技術」だけである。半導体設計能力、半導体製造設備、半導体素材など全てが海外依存である。2019年に日本が半導体主要3素材の輸出手続きを強化しただけで、「輸出規制」と誤解し、挙げ句の果てが「反日不買運動」にまで発展した。これこそ、韓国半導体の基盤がいかに脆弱であるかを証明した。 韓国半導体の抱える脆弱性を解決するには、韓国政府の支援が最も必要な時代に転換した。世界は、米中対立やロシアのウクライナ侵攻という「きな臭い」時代へ突入し、安全保障を取り巻く状況が大きく変わった。グローバル経済という状況は消えて、経済安全保障が第一に検討される環境なのだ。半導体は、経済安全保障の切り札である。何の躊躇もなく、国家が半導体を後押しする時代へと激変したのである。 半導体は国家支援対象へ グローバル経済では、御法度であった産業の国家支援が、現在では堂々と認められ奨励されるという時代へ急変したきっかけは、中国が2015年に作成した「中国製造2025」である。米国トランプ政権(当時)は、この保護政策に強く反対し、グローバル経済の維持を主張した。だが、中国が受入れず産業保護主義を継続するとしたので、米国も対抗上で保護主義へ回帰することになった。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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