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人口7000万人台に縮減する衰退国日本のグランドデザインを考える日がやってきた

今市的視点 IMAICHI POV
  • 2023/01/01
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*******************************************************       今市的視点 IMAICHI POINT OF VIEW     金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースや     トピックスをテーマに独自の視点で鋭く切り込みます     ツイートアカウント @imaichitaro     よろしかったらフォローもお願いします。             1月1日号 ********************************************************** 人口7000万人台に縮減する衰退国日本のグランドデザインを考える日がやってきた 明けましておめでとうございます。読者の皆様はこのお正月 をどのようにお過ごしでしょうか。新型コロナ感染は決して 収まったわけではないですが、久々に政府から規制がこの年末 年始には出なかったことから久々に故郷でお正月を迎えている 方も多いことと思われます。ただ正月が土日にぶつかっている ことから曜日の並びで意外に短い年末年始のお休みになって しまっているのは残念なところです。さて新年最初のこの メルマガでは日本という国の比較的近い未来に関して考えて みたいと思います。 ■この国の政治家に衰退国をどう切り盛りしていくかの発想は皆無 いまから11年程前、作家の五木寛之氏が下山の思想という本を 出版しました。本の中心的な話題になっているのはひとの人生 が100年時代になった今、気力体力ともにピークを超えたあとに いわゆる人生の下り坂をどう生きていくか、そこには登りの時には 味わえない喜びがあるというなかなか味わいのあるものでした。 しかしこれは国にも同じことが言えるわけで、我々はとかく国家 は無限大に成長していく存在であるかのような錯覚を持っています が、過去の歴史を見れば衰退し、消滅した帝国というものはいくつ も存在します。 80年代後半まで絶好調な成長を達成し21世紀もその調子で世界 の主要国の一角を占めて成長をはかっていくと誰しもが思っていた 状況でした。しかし90年代からの30年間は実は完全に成長が止 まり停滞とすでにピークアウト、国として下山の途中にさしかか っていることは明白になってしまいました。 第二次安倍政権が誕生してからの10年はなんとか国を上向きに しようとあがき、日銀の緩和、株価の人工的な上昇策なども 結局当座の見かけ上は実に上手くいっているかに見えていました がここへきて国家管理相場は一気に崩れ去る寸前まできており それとともに明治維新以降近代国家として積み上げてきた保険 や年金などの社会保障が須らく音をたてて崩れ去ろうとする ところに我々は仕方なく佇んでその動きを見ているように 思われます。 朝日新聞の報道では昨年の出生数は80万人を割り込み77万人 と厚労省が精密にとってきた人口統計をベースにしたこの国の 将来的人口推移よりはるかに早く人口が減ろうとしていること が顕在化しつつあります。 民間の試算では今世紀の中盤段階でこの国の人口は7000万人 台まで減少するというショッキングな予測も出回りはじめて います。昨年末にお送りしましたように理由がはっきりしない 超過死亡者数も激増しており人口は減るばかりですから、これ までの発想で国を切り盛りすることは到底できないところに すでに到達してしまったことがよくわかります。 ■防衛や戦費に莫大な予算を振り分けられる国ではもはやない ご存じのとおり岸田政権は支持率低下の真っ最中であるにも かかわらず、それを完全に無視して米国からの強引な恫喝に 応じていとも簡単に防衛予算を増額しその殆どを米国からの 兵器の購入に充てようとしています。そのためにあらゆる国 の既存システムや税制から兵器購入の原資をかき集めよう としており、挙句の果てに国民もさらに負担する増税を画策 中です。国の安全保障という話しになると真っ先に防衛予算を 増額する案が登場するものですが、米国のシンクタンクの 予想では次の深刻な戦争、とりわけ第3次世界大戦につながる ような大規模戦争になった場合食料の確保が極めて難しくなり そもそも自給率の低いわが国でh7000万人近くが餓死する 状況に陥るといった恐ろしい予測もでています。 つまり高いカネを払ってどこかから飛んでくるミサイルを 迎撃で食い止める、あるいはさらにエスカレートして敵国に 先制攻撃をしたとしても戦況の改善は一時的で食料調達危機 からこの国は自滅しかねないというかなりクリティカルな状況 に直面することが見えてきます。 人口が激減すれば生産労働人口も漸減しますし税収も驚異的な 縮減で社会保障からなにから須らく破綻、国は完全に立ち行かなく なってしまいます。 冒頭にも書きましたが現状の国の人口の6掛けといった凄まじく シュリンクした状況が間違いなくやってくるのであれば、過去の 国の繁栄の幻想にしがみついて妙な部分最適化を強硬するよりも 全体をサイズダウンして、まさに下山の思想に基づいた新たな グランドデザインを施すべき時期が到来していることを強く感じ させられます。MMT理論の実践もひとたびインフレが到来すれ ばすべからく破綻することになりますし、そもそもの税収から 考えて国民に提供できる社会保障は年金や高齢者介護、保険ベース の医療などどこまでなのかをはっきりさせ自助努力でなんとか しなくてはならない部分を明確にしなくてはならないのでは ないでしょうか。その基本デザインに国民の承認がえられれば 闇雲に国防費だけ猛烈に予算を積み上げるなどという愚かな ことはしない、いや出来ない国になるはずです。 相変わらず米国から脅かされたこととよからぬ人物の国葬だけ はさっさと決めてもそれ以外は全く決断できない体たらくな 首相ですから国の枠組みを再策定するなどと言う大それたこと をできるはずもないでしょうが、政党党派を超えて国のグランド デザインを策定できる人材による政権運営が必須の状況になって きています。果たして読者の皆様はどうお考えでしょうか。 今年はこんな視点を背景にしながら様々なメルマガを配信して 行きたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

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