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中国「ゼロコロナ失敗」、習氏への権力集中リスクを露呈「先進国への道は無理」

勝又壽良の経済時評
  • 2023/01/05
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1年前に予告されていた悲劇 習近平氏への権力集中リスク 英国の脱EUと似た双循環論 決定的な「中所得国のワナ」 中国は、昨年12月7日に「ゼロコロナ政策」の一部緩和へ踏み切った。「ウイズコロナ」という途中経過を踏まずに、いわゆる「フルコロナ」と言える状況になった。当局は、コロナの「自由放任主義」を採用し、「できる限り早期の集団免疫獲得」に努めているとの見方が出るほどの豹変ぶりだ。突然の規制解除は、「最大限のウイルス拡散」をもたらした。同時に、「医療機関への最大限の圧力」という最悪事態を招いている。 この結果、多数の死者が出ているはずだが、公式発表にはそれが現れていないのだ。英国の医療関連調査会社エアフィニティーは昨年12月29日、中国での新型コロナウイルスによる死者が、12月1日以降10万人に達し、感染者数は合計1860万人に上ると指摘した。それによると、中国全土での死者数は4月末までに170万人に達するというのである。 1年前に予告されていた悲劇 このような最悪事態は、ちょうど1年前の1月3日に発表された、ユーラシアングループによる「2022年世界10大リスク」の第1位に上がった「ゼロコロナ政策の失敗」で予告されていた。中国が、科学的な思考を積み重ねれば現在、直面している最悪事態は、回避で来たはずである。それができなかったのは、習近平氏の判断に誤りがあった結果だ。 中国が、ゼロコロナ政策で失敗したのは、中国国家主席が権威主義によってあらゆる決定権を握っている根源的なリスクと見るべきだろう。つまり、「ゼロコロナ政策の失敗」は、権威主義による統治システムが存在する限り、今後も他の重要案件で繰返される危険性を示唆している。世界は、こうした権威主義の危険性と同居しているのである。危険この上ないことだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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